Column
都立小松川高校推薦入試小論文(女子)解説・令和3年度(2021年度)
都立高校別対策
2025.06.18

私たちが日常的に使っている言葉のなかに、「似て非なるもの」という表現があります。
これは、一見よく似ているように見えるけれども、本質的にはまったく違う性質を持つ二つのものを指します。
たとえば、「自由」と「勝手」はどちらも自分の思い通りに行動する点では共通していますが、「自由」は他者への配慮や責任を伴うのに対し、「勝手」は自分本位で周りを考えない行動を指します。
このように似て非なるものの違いを理解することは、自分の考えを整理し、ものごとの本質を的確に捉える訓練になります。
都立小松川高校の推薦入試でこのテーマが出題されたのは、あなたが表面的な理解にとどまらず、深くものごとを観察し、微妙な違いをきちんと説明できる力を求められているからです。
「なんとなく似ている」から一歩進んで、「何が似ていて、何が違うのか」を言葉にできるようになると、自分の考えを相手に分かりやすく伝える力が大きく向上します。
本記事では、「似て非なるもの」をテーマにした作文を書くときの視点や構成のポイントを分かりやすく解説します。
小さな違いに気づき、それを適切に説明できる力を身につけて、推薦入試の作文対策に役立ててください。
他年度の東京都立小松川高校の推薦入試の作文の解説は以下から見てください。
目次
問題の構成と出題のねらい
令和3年度の小松川高校推薦入試作文(女子)で出題されたのは、「似て非なるもの」を一対挙げ、その共通点と相違点を説明するという課題でした。
文字数は550~600字と設定されています。
この問題の構成は、次の3つの要素でできています。
- 似て非なるものを一対挙げること
- 共通点を示すこと
- 相違点を明確に説明すること
単に「似ているけれど違うもの」を選ぶだけでなく、その選定に対して自分なりの視点を持ち、具体的な言葉で整理することが求められています。
ここで高校側が評価しようとしているポイントは、受験生がものごとを深く掘り下げ、客観的に整理して述べることができるか、という「思考力」と「表現力」です。
また、この出題のねらいとして特に重要なのが、表面的な理解にとどまらない観察力です。
世の中には一見似ているが根本的に異なるものが数多く存在します。
それらの違いを的確に認識できる能力は、高校生活やその先の社会においても重要な資質です。
つまり、この作文課題は単なる作文技術を測るだけではなく、あなた自身がもつ観察力や考察力、物事の本質を捉える能力を評価するための問題と言えます。
この作文で求められる力と押さえるべき3つの視点
小松川高校推薦入試の今回の作文では、単に文章を書く技術だけでなくあなたが持つ「考える力」や「伝える力」を評価されます。この課題に取り組む際に意識すべき重要な視点を3つ紹介します。
① 観察力・洞察力
「似て非なるもの」を見つけるためには、日常の出来事や身近な物事を丁寧に観察し、微妙な差異や共通点に気づく力が必要です。自分が選ぶテーマが本当に適切かどうかは、「どのくらい細かく丁寧に観察できているか」にかかっています。
② 論理的思考力
共通点と相違点を整理する際には、感覚的・抽象的にまとめるのではなく、はっきりと言葉で伝えられるように論理的に考えることが重要です。
「なぜ似ているのか」「どうして違うのか」を順序立てて説明できることが求められます。
③ 表現力・伝達力
どれほど優れた観察や思考をしていても、それを明確に文章で表現できなければ伝わりません。
文章構成や言葉遣い、具体例の示し方などを工夫し、採点者にあなたの考えがしっかり伝わるように表現する力を磨きましょう。
これら3つの視点を意識しながら作文を書くことで、単に文字数を埋めるだけの作文ではなく、自分の考えや感性を深くアピールできるものに仕上げることができます。
構成のポイントと書き方の流れ
この作文を効果的に書くには、以下のような明確な構成を意識しましょう。
論理的でわかりやすい作文に仕上げるためのポイントを具体的に示します。
【序論】似て非なるものを示す(約100~150字)
- 最初に、自分が選んだ似て非なる一対のものをはっきりと提示します。
- なぜそれらを選んだのか、簡潔に理由を添えると、導入部分が引き締まります。
【本論①】共通点を説明する(約150~200字)
- 二つのものがどういった点で似ているのかを説明します。
- 具体例を使いながら、読んだ人がすぐに理解できるような表現を心がけましょう。
【本論②】相違点を明確に述べる(約200~250字)
- 本論のメインとなる部分で、具体的な違いを詳しく述べます。
- 抽象的にならないよう、分かりやすい事例やエピソードを挙げて説明すると効果的です。
【結論】まとめ・気づきを述べる(約50~100字)
- 共通点と相違点を整理し、自分が得た気づきや発見、問題への見方の変化などを簡潔にまとめます。
- 最後の一文は、自分の考えや視点の深まりが感じられるものにすると印象的です。
以上の流れに沿って文章を書くことで、説得力が増し、採点者に論理的な文章構成能力をしっかりとアピールすることができます。
実際の作文例
私が考える似て非なるものは、「夢」と「目標」である。どちらも未来に向けた願望や理想の姿を表している点で似ている。しかし、そこには決定的な違いがある。
まず共通点として、「夢」も「目標」も、自分が将来どうなりたいか、何を実現したいかを表すという点が挙げられる。どちらも、自分自身の行動を促し、努力する原動力となるものである。
しかし、その中身は本質的に異なっている。「夢」とは、漠然とした願望や憧れであり、「いつかそうなったらいいな」と願う状態であるのに対し、「目標」は、具体的に達成すべき内容や期限が明確に定められているものである。たとえば、「将来、幸せに暮らしたい」というのは夢だが、「3年後に大学入試で合格する」というのは目標である。「夢」は自由で無限だが、実現可能性ははっきりしていない。一方、「目標」は、具体的な期限や方法を設定するため、自分が何をすべきかが明確で、実現可能性が高いという特徴がある。
私はこの違いを理解したことで、自分が夢をかなえるためには、具体的な目標を設定する必要があると気付いた。今までは「夢」を語るだけだったが、これからはそれを「目標」に変えて、計画を立てて実行しようと思った。「夢」を「目標」に変えることで、初めて理想が現実に近づくのだと思う。小さな目標を一つずつ達成することで、自分が描いた夢に一歩ずつ近づけると信じている。
(585文字)
まとめ
「似て非なるもの」を意識することは、私たちが普段何気なく見過ごしている小さな違いに目を向けるきっかけになります。
この小さな違いを見逃さず、自分なりに言葉で整理して説明できるようになることは、学習や人間関係など日常のさまざまな場面で役立つでしょう。
表面的な似かよったものの奥にある本質的な違いに気づく力は、自分の考えを深めたり、新たな視点を持つきっかけを与えてくれたりします。
ぜひ、日頃から「これは似ているけれど、本当はどう違うのだろう?」という視点を持ち、自分の考えを深める習慣を身につけましょう。
その積み重ねが、あなた自身の未来を豊かにしていくはずです。
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