Column
都立小松川高校推薦入試作文(男子)解説・令和3年度(2021年度)
都立高校別対策
2025.06.14

小松川高校の推薦入試(令和3年度・男子)では、「あなたが今、一番追究したいと思う問い」について考える作文が出題されました。
課題文には、「考える力は『問いを発するチカラ』から始まる」という言葉が登場します。
これは、ただ教わるのを待つのではなく、自分の中に生まれた“なぜ?”“どうして?”という疑問を起点にして学びを広げていく姿勢を大切にしよう、というメッセージです。
この作文では、
- あなたが心から「知りたい」「深く考えたい」と思う問いは何か?
- その問いを持つようになったきっかけや理由は何か?
- 今の自分はその問いに対してどう考えているのか?
という3つの柱で、自分の内面と向き合いながら、自分だけの“学びの原点”を表現することが求められます。
この記事では、「問い」をどう選ぶか、どう構成して書くかを、実際の作文例をまじえてわかりやすく解説していきます。
自分の「知りたい」という気持ちを大切にし、それを自信を持って表現できる作文を目指しましょう!
他年度の東京都立小松川高校の推薦入試の作文の解説は以下から見てください。
問題の構成とねらい
この作文課題は、次のような指示文で出題されています。
【課題文】
「自ら論点が起こせれば、好奇心が芽生え、社会や世界への視野も広がる。そして、自分が心から解きたい謎一つあれば、生きがいになり生きていける。考える力は『問いを発するチカラ』から始まる。」という言葉があります。
では、あなたが今、一番追究したいと思う「問い」とは何ですか。
その問いをもつようになったきっかけや理由、さらにその問いに対する今のあなたの考えを述べなさい。(550~600字)
書くべき内容は3つ!
- 自分が一番追究したい「問い」をはっきり示す
- その問いを持つようになったきっかけ・理由(体験・見聞)
- 今の自分がその問いについてどう考えているか
この3つを組み合わせて書くことで、自分の好奇心・思考力・自己理解・意欲をすべて表現できます。
高校側のねらい
この作文で高校が見たいのは、以下のような資質です:
- 自分なりの視点で物事を考えられるか(問いを立てる力)
- 自分の体験や考えを深く掘り下げて説明できるか(思考の深さ)
- それを将来の学びや行動につなげられるか(主体性と意欲)
つまり、「なぜその問いなのか」「どう考えているのか」を自分の言葉でしっかり説明できるかどうかが、合否を左右するポイントです。
この作文で求められる力と考えるべき3つの視点
この作文では、「問いを持つこと」そのものがテーマとなっています。
単なる作文力ではなく、自分の内面と向き合い、深く考える力が求められています。
① 好奇心を言葉にする力:なぜその「問い」が気になるのか?
まず重要なのは、「自分はなぜその問いを追究したいのか?」という内側の動機を言葉にすることです。
例
- 本を読んだときに生まれた疑問
- ニュースを見て感じた違和感
- 日常の中でふと生まれた「なぜ?」
「問いを持つきっかけ」=自分らしさの出る部分なので、自然体の体験で構いません。
② 考えを深める力:今の自分はその問いをどうとらえているか?
次に、その問いについての自分なりの見方や考えを具体的に書きます。
ここでは、
- 今わかっていること
- まだよくわからないこと
- 解きたいけど難しいと感じている部分
などを正直に書くと、探究心の深さが伝わります。
③ 学びにつなげる力:「問い」を持ち続ける意義を伝える
最後に、その問いを持つことが自分にとってどう意味があるのか、そしてこれからどう向き合っていきたいかを述べます。
例
- 将来の学びや進路につなげたい
- 人との対話を通じて考えを深めたい
- 日常の中でも問いを忘れずにいたい
この視点を入れることで、自分の考えを将来の行動につなげる姿勢がアピールできます。
構成のポイントと書き方の流れ
この作文では、「問い→きっかけ→今の考え」の順で書くと、思考の深まりと個性が伝わる作文になります。
以下の4段構成でまとめると、600字以内にバランスよくおさまります。
① 導入:自分の問いを明確にする(80〜100字)
まずは、「自分が今、一番追究したい問い」をはっきりと書きます。
例
「私が今、一番追究したい問いは『なぜ人は他人と比べてしまうのか』ということです。」
② 本文①:その問いを持つようになったきっかけ(150〜180字)
問いを持った体験やきっかけを具体的に書きます。
読書・ニュース・学校生活・友人との会話など、日常の中から選ぶと自然です。
例
「中学1年のとき、友人の成績ばかり気にして落ち込んだ経験があります。そんなとき先生から『人と比べるより、昨日の自分と比べなさい』と言われて…」
③ 本文②:今の自分の考え(200〜220字)
その問いについて、今自分はどう考えているのかを深めます。
自分なりの答えを出してもよいですし、迷っている姿を見せるのもOKです。
例
「今でも比べてしまうことはありますが、それは人とつながりたいという気持ちの裏返しだと思うようになりました。」
④ まとめ:今後その問いとどう向き合いたいか(80〜100字)
最後に、その問いを今後の学びや生き方にどう活かしたいかを書いて締めくくります。
例
「この問いを忘れず、人との違いを大切にしながら、自分らしく考え行動できる力を育てていきたいです。」
構成まとめ表
パート | 内容 | 目安字数 |
---|---|---|
導入 | 問いの提示 | 80〜100字 |
本文① | きっかけ・体験の具体例 | 150〜180字 |
本文② | 今の考え・思考の深まり | 200〜220字 |
まとめ | 今後への意欲・問いとの向き合い方 | 80〜100字 |
この構成に沿って書けば、自分だけの「問い」が、読み手にしっかり伝わる作文になります。
作文例
私が今、一番追究したい問いは、「なぜ人は他人と比べてしまうのか」ということです。自分の価値や成果を確かめるとき、つい周囲と比べてしまうのは、なぜなのでしょうか。
この問いを持つようになったのは、中学1年のときの経験がきっかけです。テストの結果が返ってきたとき、私はそれなりに良い点数を取っていたのに、友人の方が上だったことが気になって、素直に喜べませんでした。その様子を見た先生が、「自分の中の成長を見つけることが大事だよ」と声をかけてくれたことで、はじめて“比べる”ことについて深く考えるようになりました。
今の私は、人と比べてしまうのは、社会の中で生きているからこその自然な感情なのかもしれないと思っています。私たちは誰かとつながりたい、認められたいという気持ちがあるからこそ、他人の存在が気になるのだと思います。しかし、比べることで自信をなくしたり、自分らしさを見失ってしまうのはもったいないことです。だから私は、比べること自体を否定するのではなく、それを自分の成長へのヒントにできるように、少しずつ考え方を変えようとしています。
この問いは、私自身の生き方に深く関わる大切なテーマです。これからも人と関わる中で、自分のペースや価値を見つめながら、人との違いを前向きにとらえられる力を身につけていきたいと思います。(564文字)
まとめ
小松川高校の推薦入試で出題されたこの作文は、与えられたテーマに答えるだけでなく、自分の中から生まれた「問い」に向き合い、それを自分の言葉で深めていく力が問われる課題でした。
このような作文で評価されるポイントは、次の3つです。
- 自分にとって本当に気になる「問い」を正直に選べているか
- その問いが生まれたきっかけや背景が具体的に説明されているか
- その問いと向き合うことで、自分がどう考え、どう成長したいと思っているかが伝わるか
「問いを持つこと」は、学びや成長の出発点です。
誰かの答えを受け取るのではなく、「自分はなぜそう思うのか」「どうしてこれが気になるのか」と考えることが、将来の学びや進路を自分らしいものにしていく力になります。
特別な経験でなくても大丈夫。
日常の中でふと生まれた疑問を大切にし、自分なりに考える姿勢を、作文でしっかりと表現していきましょう。
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