Column
都立江戸川高校推薦入試作文解説・令和4年度(2022年度)
都立高校別対策
2025.06.07

江戸川高校の推薦入試(令和4年度)では、「インターネットに関する問題を挙げ、その原因と、これから生きていく上で必要な力について述べる」という、現代社会と深く関わるテーマの作文が出題されました。
私たちは日々、スマートフォンやパソコンを使ってインターネットにアクセスし、調べ物をしたり、SNSで人とつながったり、動画を楽しんだりしています。
とても便利で欠かせないツールですが、その一方で、情報の信頼性や、使い方によるトラブル、心の影響などの問題も指摘されています。
この作文では、
- インターネットにどのような問題があるのか
- その問題はなぜ起こるのか、自分なりの考え
- それに対して、今後どのような力を身につけるべきか
という、「現代社会を生きる力」を問う作文になっています。
この記事では、作文をどのように構成し、説得力のある内容に仕上げるかを、具体例とともにわかりやすく解説していきます。
スマホやネットとどう向き合うかを考えることは、「自分の生き方」を考えることにもつながります。
一緒に、自分の意見をしっかり伝える作文の書き方を学んでいきましょう。
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問題の構成とねらい
江戸川高校のこの作文課題は、次のような指示で構成されています。
【課題文】
インターネットに関する内容について、問題を挙げる。
また、なぜそのようなことが起きるのか考えを記し、
今後生きていく上で、どのような力を身に付けていく必要があるかを述べる。
(541〜700文字)
この作文は、「社会課題をとらえ、自分の意見と行動につなげる」総合力が問われる問題です。
書くべきポイントは3つ!
① インターネットに関する具体的な問題を挙げる
→ 例:誹謗中傷、情報の拡散、ネット依存、フェイクニュースなど
② その問題がなぜ起きるのか、自分なりに考える
→ 技術の進化、人間の心理、匿名性、教育の不足など、原因や背景を深掘りします。
③ これからの時代を生きる上で必要な力を述べる
→ 情報を見極める力、自分の言動に責任を持つ力、多様な意見を尊重する力などを具体的に提案します。
高校側のねらい
この課題で江戸川高校が見ようとしているのは、次のような力です:
- 現代社会を見つめる力(問題発見力・関心)
- 背景や原因を分析する力(思考力・論理性)
- それを自分ごととして受け止め、どう生きるかを考える力(主体性・表現力)
つまり、「ただ問題を知っている」だけでなく、「それをどうとらえ、自分はどう行動していくか」まで考えられるかが問われているのです。
作文で求められる3つの視点
この作文では、単に「ネットは危ない」と伝えるのではなく、問題を分析し、自分なりの考えと将来への行動につなげる力が求められています。
特に重視すべきは、次の3つの視点です。
① 社会を見る視点:インターネットの現実と問題をとらえる力
まずは、インターネットに関して自分が実際に見聞きした問題や課題を一つ挙げます。
これは、誰かの体験談でも、ニュースで見た話題でも、自分自身の経験でも構いません。
例
- SNSでの誹謗中傷や炎上
- デマ情報の拡散
- ネットいじめや匿名の悪口
- 過度なネット依存・ゲーム依存
ここでは、社会全体を見つめる客観的な視点が大切です。
② 原因を考える視点:なぜその問題が起こるのかを深掘りする
次に、「なぜその問題が起きるのか?」という原因や背景を考える力が問われます。
「便利すぎるから」だけでなく、人間の心理や社会構造にも目を向けてみましょう。
例
- 匿名で発言できるため責任感が薄れる
- 情報をうのみにしやすい環境
- 承認欲求が強くなり、注目されたいという気持ちが暴走する
こうした分析が、作文に説得力と深みを与えます。
③ 自分に引きつける視点:必要な力と生き方を提案する
最後に、その問題とどう向き合い、どんな力を身につけていきたいかを述べます。
これは、単なる反省や警告ではなく、「自分はこうありたい」という意欲を伝えるパートです。
例
- 情報をうのみにせず、正しい情報か判断する力
- 人の立場に立って発言する想像力
- ネットと現実のバランスをとる自己管理力
「知って終わり」ではなく、「どう行動するか」が評価のカギです。
構成のポイントと書き方の流れ
江戸川高校のこの作文では、「社会課題→分析→自分の行動」という三段構成が問われます。
この順序を意識して書くことで、読み手に伝わりやすく、説得力のある内容になります。
おすすめの4段構成
① 導入:インターネットの問題提起(100〜120字)
まずは、現代のインターネット社会における問題を一つ取り上げて紹介します。
ニュースや学校で話題になったこと、自分の周囲で見聞きしたことなど、身近な例を使うと書きやすくなります。
例
「SNS上での誹謗中傷によるトラブルが問題になっています。気軽な発言が、大きな傷を人に与えることがあります。」
② 本文①:その問題がなぜ起こるのか(150〜200字)
次に、問題の背景や原因を自分なりに考え、掘り下げて書きます。
技術面だけでなく、人間の心理や社会環境にも目を向けると深みが出ます。
例
「SNSでは匿名で発言できるため、自分の言葉に責任を持ちにくくなります。また、いいねや注目を集めたいという気持ちから、強い言葉を使ってしまう人もいます。」
③ 本文②:自分の考えとこれから必要な力(200〜250字)
このパートでは、「その問題にどう向き合うか」「自分はどう行動したいか」を書きます。
「こういう力が必要だ」と提案し、将来の自分の姿とつなげましょう。
例
「私は、情報をそのまま信じず、正しさを判断する力が必要だと思います。また、発言には責任があると自覚し、相手の気持ちを考える想像力を持ちたいです。」
④ まとめ:意欲と目標の再確認(80〜100字)
最後に、自分が今後どのようにその力を身につけたいか、どんな生活を送りたいかを前向きにまとめます。
例
「インターネットの中でも、思いやりと判断力を大切にし、自分の言葉に責任を持って行動できる人になりたいです。」
構成まとめ表
パート | 内容 | 目安字数 |
---|---|---|
導入 | インターネットの問題提起 | 100〜120字 |
本文① | 問題の原因・背景の分析 | 150〜200字 |
本文② | 自分の考えと必要な力の提案 | 200〜250字 |
まとめ | 今後への意欲・自分の目標 | 80〜100字 |
この構成で書けば、社会を見る力・自分の考え・将来への意欲を、バランスよく伝えることができます。
実際の作文例
インターネットは便利な道具である一方で、深刻な問題も引き起こしています。最近では、SNS上での誹謗中傷が大きな社会問題となっています。気軽に投稿した言葉が相手を深く傷つけたり、時には命を奪うような事態にまで発展することもあり、非常に深刻な課題です。
こうした問題が起きる背景には、インターネットの匿名性があります。顔が見えない相手に対しては責任感が薄れ、自分の言葉がどれほど重いかを意識しにくくなってしまいます。また、SNSでは多くの人に注目されたいという欲求から、強い言葉や極端な意見を発信する人も少なくありません。便利で開かれた世界だからこそ、一人ひとりが使い方に注意しなければならないと感じます。
私は、こうした社会の中で生きていくためには、まず「情報を正しく判断する力」が必要だと思います。ネットには正しい情報もあれば、誤った情報も混在しています。その中から自分に必要な情報を見分ける力がなければ、簡単にデマに振り回されたり、人を傷つけてしまうかもしれません。また、「相手の立場に立って考える力」も大切です。言葉の裏にある感情や背景を想像し、自分の発言に責任を持つことが、ネットの中でも現実世界と同じくらい大切だと思います。
これからの社会では、インターネットとどう付き合うかが人生を左右する時代になると思います。私は、ネットでも現実でも人との関わりを大切にし、思いやりと判断力を持って行動できる人になりたいです。そして、自分の言葉が誰かに届くものであることを忘れずに、発信する力と責任を身につけていきたいです。(664文字)
まとめ
江戸川高校の推薦入試で出題されたこの作文では、インターネットという現代の象徴的なテーマを通して、社会を見る力、考える力、そして自分の行動につなげる力が試されました。
作文で評価されるポイントは、次の3つです。
- 具体的な社会問題をとらえる視点があるか
- 問題の背景や原因について、自分なりに分析できているか
- その問題に向き合うために、自分はどんな力を身につけたいかが明確か
特別な知識や出来事が必要なわけではありません。
日常の中で感じた「違和感」や、ニュースを見て考えた「なぜ?」という思いを、自分の言葉で深掘りすることが大切です。
そしてもう一つ重要なのは、「問題を指摘するだけで終わらせず、自分がどう行動したいかまで書くこと」。
推薦入試では、自ら考え、行動できる生徒が求められています。
インターネットに限らず、どんな問題にも目を向け、「自分ならどうするか」を考える力は、これからの社会で生きていく上での大きな武器になります。
ぜひ、自分なりの考えと姿勢を、作文でしっかり伝えてください!
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