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【2024年度最新版】都立高校入試理科共通問題の傾向と対策
都立高校入試共通問題対策
2023.05.03

この記事はこんな方にオススメ!
- 都立高校入試の理科で高得点が取りたい。
- 都立高校入試の理科が苦手。
- 都立高校入試理科の勉強法やテクニックが知りたい。
都立高校入試理科の概要
都立高校入試の理科では、社会と同様にすべての高校が同じ問題を出題します。偏差値30の人も偏差値80の人も同じ問題を解くことになるため、問題によって正答率が数%~80%と大きく異なります。また、厄介なことに数学と異なりどの設問の正答率が高くなりどの設問の正答率が低くなるということが決まっておらず、年によって異なります。
したがって、数学と比べて事前の作戦が立てにくい科目になっています。しかしながら、問題形式ごとの特徴は存在していてそれに沿った事前準備をすることは可能になっています。どういう事前準備や対策をすればよいのか、それができる教材は何なのかということを紹介します。都立高校を受験する予定の方は是非この記事を読んで理科の対策に活用してください。
大問1
大問1では、1問4点の記号問題が5問~7問出題されます。年によって出題される問題数がバラバラです。中学理科は物理・化学・生物・地学の四分野に分かれているためすべての分野から1問ずつ出題されたうえでいずれかの分野で2問目の問題が出題されます。
出題内容
大問1の問題の特徴は、
- すべての問題で図が与えられる
- 2択問題が2つ組み合わせて4択問題となっている
の2つです。
図を使った問題なので、実験・観察、計算、図中のある箇所の名称や特徴を答える問題が多く出題されます。こういった問題が多いことを前提とした勉強をしておきましょう。お勧め教材は後ほど紹介します。
大問2
大問2では、1問4点の問題が4問出題されます。大問1とは違って問題数は毎年4問です。先ほど申し上げた通り中学理科は物理・化学・生物・地学の四分野に分かれていますので、すべての分野から1問ずつ出題されることになります。
出題内容
大問2の問題の特徴は、
- 1問ごとにレポートが与えられている
- レポート内の情報(特に数値)を使って解く問題がある
- 実験や観察をしたレポートなので、それに関連した問題となる
といったものになります。
実験・観察に関連する知識問題や計算問題の出題が多くなるので、それに備えておきましょう。
大問3
出題内容
大問3では、地学分野の実験・観察についての出題がなされます。1問4点の問題が3~4問です。記号問題が主ですが、3~4年に1問くらいのペースで記述問題も出題されます。中学生活3年間のなかで地学分野の実験・観察はたくさん行っている(または教科書に載っている)のですが、よく出題される実験・観察のテーマは決まっています。それを実感していただくために過去12年間の出題テーマを並べてみます。
2023年度:露点および雲の発生に関する実験
2022年度:岩石や地層の観察
2021年度:天気の変化と気象観測
2020年度:太陽の1日の動きの観察
2019年度:地震の観測
2018年度:地層の観察
2017年度:天気の変化と気象観測
2016年度:天体の観測
2015年度:地層の観察
2014年度:太陽と月の1日の動きについて調べる観察
2013年度:気象観測
2012年度:天体の動きや様子の観測
となっています。ここから、
- 地層
- 地震
- 天気の変化と気象観測
- 天体の動き
の4種類しか問題がないことがわかります。
と、言いたいところなのですが2023年度に「雲の発生に関する実験」という大問3ではめったに出ないテーマが出題されました。ちなみに2003年度入試に出題されて以来なのでちょうど20年ぶりの出題となっています。また、大問3が地学分野からの出題となったのが2003年度入試からですので、「雲の発生」を加えて5種類と考えておけばまず外すことはなさそうです。
基本的には上記四種類で毎年回していますので、まずはこの四種類の観察に関する知識を身につけておきましょう。
大問4
出題内容
大問4では、生物分野の実験・観察についての出題がなされます。1問4点の問題が3~4問です。記号問題が主ですが、3~4年に1問くらいのペースで記述問題も出題されます。大問3の地学と同じように、よく出題される実験・観察のテーマは決まっています。地学と同じように、過去12年間の出題テーマを見てみましょう。
2023年度:ヒトの体内の消化に関する実験
2022年度:植物の花のつくりの観察と遺伝の規則性
2021年度:ツユクサを用いた実験、観察(呼吸と光合成)
2020年度:消化酵素の働き
2019年度:植物のつくりの観察と遺伝の規則性
2018年度:植物の体のつくりと働き
2017年度:ヒトの生命を維持する仕組み(消化)
2016年度:植物の体のつくりの観察と規則性
2015年度:オオカナダモを用いた実験(呼吸と光合成)
2014年度:花のつくりと遺伝の仕組み
2013年度:消化酵素の性質を調べる実験
2012年度:オオカナダモ用いた実験(呼吸と光合成)
となっています。基本的に、
- 植物のつくり
- 遺伝の規則性
- 人間の消化と酵素のはたらき
- 植物の呼吸と光合成
の4つが出題されていることが分かります。これら4つの分野について優先的に学習しておきましょう。
ちなみに、大問4で生物分野が出題されるようになった2003年度入試以降で上記4テーマ以外が出題されたのは
2010年度:メダカを用いた実験
2009年度:生物同士の繋がりと分解者の働き
2007年度:動物の発生と動物の体の作り
2004年度:ホウセンカの花粉を用いた実験
2003年度:ソラマメを用いた植物の根の成長の観察
と、2000年代(00年代)には結構例外も頻繁に出題されていたことが分かります。直近の過去問集には7年分ほどの問題しか載っていないのでパターンに沿った演習しかできません。もしあらゆる事態に備えた準備をしておきたいということであれば上記年度(2003年度~22010年度)の過去問を入手して演習しておくと安心かと思います。
大問5
出題内容
大問5では、化学分野の実験に関する問題が出題されます。大問3の地学や大問4の生物と同様に、12年間の出題を見てみましょう。
2023年度:水溶液の実験(電池)
2022年度:イオンの性質に関する実験
2021年度:物質の変化と質量保存則に関する実験
2020年度:物質の性質を調べて区別する実験
2019年度:銅と酸化銅を用いた実験
2018年度:水溶液と金属を用いた実験(電池)
2017年度:物質の性質を調べて区別する実験
2016年度:電気分解の実験
2015年度:マグネシウムを用いた実験
2014年度:酸性の水溶液と金属を用いた実験
2013年度:酸性とアルカリ性の水溶液の性質
2012年度:化学変化と反応する物質の質量
ということで、大まかに分けて
- 電池、電気分解、イオン
- 化合・分解と質量保存の法則
- 物質の性質
の3種類に分類されることが分かります。分類ごとに問題を解いていくとそれぞれのコツが効率よく身につくので非常にお勧めです。なお、大問5で化学分野が出題されるようになった2003年度以降では
2011年:気体の性質を調べる実験
のみ例外となっています。万全を期すのであれば、2011年度の大問5は入手して解いておきたいですね。
大問6
出題内容
大問6では、物理分野の実験に関する問題が出題されます。これまでの流れ通り、まずは12年間の出題を見てみましょう。
2023年度:電流の実験
2022年度:物体の運動に関する実験
2021年度:電流と磁界の実験
2020年度:電熱線に流れる電流とエネルギーの移り変わりの実験
2019年度:小球の運動エネルギーに関する実験
2018年度:電流と磁界の関係に関する実験
2017年度:物体の運動エネルギーに関する実験
2016年度:電気器具の消費電力やエネルギーの移り変わりに関する実験
2015年度:滑車を用いた仕事とエネルギーの関係と物体の運動を調べる実験
2014年度:電流と磁界との関係の実験
2013年度:物体に働く力と物体の運動に関する実験
2012年度:物体の運動に関する実験
となっています。大きく分けて
- 電流(と磁界)
- 物体の運動
の2つとなります。基本的にこの2つが隔年で出題されますが、2020年度入試⇒2021年度入試や2012年度入試⇒2013年度入試のように2年連続同じテーマが続くこともあります。しかし3年連続続いたことはないので、2年連続同じテーマが続いた後が一番対策しやすいですね。
都立高校入試理科対策の教材6選
以上のことから、都立高校入試理科では
- 図を使った問題
- 実験・観察に関する問題
- 計算問題
が重要であるといえます。これらの対策ができるお勧め教材を紹介します。
1『やさしい中学理科』
こちらは、「実験・観察」「計算」といったジャンルの対策をする前に中学理科を0から勉強したい場合にお勧めの教材です。語り口調で読みやすく、語呂合わせも交えて理解や暗記をスムーズに進めることができます。理科嫌いにお勧めの1冊です。
2『高校入試 実力メキメキ合格ノート 中学理科[生命・地球]』『高校入試 実力メキメキ合格ノート 中学理科[物質・エネルギー]』
こちらは理科が苦手な人だけでなく、理科がある程度得意な人にもお勧めの1冊です。お勧めポイントは
- 図に書き込むタイプの別冊ノートがついている
- 実験・観察の手順や結果や考察にも触れている
となっています。受験生であれば中1範囲を習ったのは2年前のことになります。昔のことを効率よく思い出すのに非常に便利な教材なので是非活用してください。
3『高校入試 超効率 中学理科100+実験・観察40』
タイトルから分かる通り、実験・観察問題の対策にうってつけの教材です。主な実験・観察について覚えてほしいポイントを、赤シートを使って覚えていく教材です。
4『中学 詳説用語&資料集 理科』
いわゆる用語集なので、様々な場面で辞書として活用することができます。加えて、「第5編実験・観察」では30ページにわたって主な実験・観察についてまとめられています。この部分が非常に便利です。また、「第6編資料」のうち
- 主な実験器具とその使い方
- 試薬・指示薬一覧
- 主な化学反応式、電離の化学式
のコーナーも非常にお勧めとなっております。
5『[入試完成シリーズ]理科 実験・観察問題の解き方』
こちらも、タイトルから分かる通り実験・観察問題の対策をするのに良い教材となっています。ただ、こちらは学習塾向け教材となっているので塾に通っていないと入手するのが難しいかもしれません。
6『速習ゼミ 理科 計算トレーニング』
こちらは計算問題の練習をするのに良い教材です。特に「第3章 電流」は電流の計算が苦手な受験生にとっては非常にお勧めできるものとなっています。ただし、こちらも学習塾向けの教材となっています。
以上が都立高校入試理科の対策です。
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