Column
都立小松川高校推薦入試小論文(女子)解説・令和4年度(2022年度)
都立高校別対策
2025.05.23

小松川高校の推薦入試(令和4年度・女子)では、「あなたのものの見方や考え方に大きな影響を与えた出来事を具体的に示し、その変化の内容を書きなさい」という作文が出題されました。
このテーマは、「ただの体験談」では終わりません。
大切なのは、その出来事を通して自分の中でどんな変化が起きたのかを、はっきりと言葉にして伝えることです。
たとえば、
- 人の意見を聞くことの大切さに気づいた
- 努力することの意味が変わった
- 苦手だった相手の見方が変わった
など、日常の中の小さな出来事でも、自分の価値観や態度が変わったことがあれば立派な題材になります。
この作文は、「自分をふり返る力」「気づきを言葉にする力」「変化を説明する力」が問われる、自己理解型の課題です。
この記事では、出来事の選び方から構成の立て方、実際の作文例までわかりやすく解説していきます。
自分の変化に気づき、それを言葉にできることは、大きな成長の証です。あなたの中の「変わった瞬間」をしっかりと表現していきましょう。
他年度の東京都立小松川高校の推薦入試の作文の解説は以下から見てください。
1:問題の構成とねらい
この作文の課題文は、次のように構成されています。
【課題文】
あなたの「ものの見方や考え方」に大きな影響を与えた出来事を具体的に示し、
その変化の内容を書きなさい。
(550〜600字)
この課題から、明確に書くべきポイントは2つあります。
書くべき要素
①「考え方やものの見方」が変わるきっかけになった具体的な出来事を紹介する
→ 単なる感想ではなく、「何があったのか」「どんな場面だったのか」をリアルに描くことが大切です。
②その出来事を通して、「自分の中で何がどう変わったか」を具体的に説明する
→ 感情の変化だけでなく、「以前はこう考えていたが、今はこう思うようになった」というビフォー・アフターをはっきり書きましょう。
高校側のねらい
この作文を通して高校が見ているのは、次のような力です:
- 経験から学び取る力(ふり返り)
- 自分を客観的に見つめる力(自己理解)
- 考えの変化を筋道立てて伝える力(論理的表現)
つまり、「ただの体験」ではなく、「体験を通して成長した自分」を言葉にできるかどうかが評価のポイントになります。
2:作文で求められる3つの力
この作文では、「ものの見方や考え方が変わった経験」を通して、自分の成長を言葉にする力が問われています。
その中で特に重要なのは、次の3つの力です。
① ふり返る力(変化のきっかけを正確にとらえる)
「考え方が変わった出来事」は、誰にでもあります。
大切なのは、「そのとき自分が何を感じ、どんなふうに受け止めたか」を具体的に思い出して描写する力です。
例
- 誰かにかけられた言葉
- 成功・失敗からの気づき
- 本や映像、ニュースを通じた発見
日常の小さな場面でもOK。自分にとって意味のある出来事なら説得力があります。
② 変化を説明する力(ビフォー・アフターの対比)
この作文で特に大事なのは、「その出来事の前と後で、自分がどう変わったのか」をはっきりと説明することです。
例
- 「以前は○○と思っていたが、今は△△と考えるようになった」
- 「その前は行動できなかったが、今は前向きに挑戦するようになった」
こうした対比をはっきり示すことで、成長の具体性が増します。
③ 表現力(論理的で読みやすい構成)
600字という限られた字数の中で、自分の考えをわかりやすく伝えるには、作文全体の構成力も必要です。
- 出来事の背景 → 体験の描写 → 変化の内容 → 今後の意欲
このような流れのある文章を意識すると、読み手にしっかり伝わります。
3:構成のポイントと書き方の流れ
「考え方の変化」をテーマにした作文では、どんな出来事があって、どう変わったのかをスムーズに伝える構成が大切です。
以下の4つの流れで書くと、内容がわかりやすくまとまります。
① 導入:以前の自分の考え(80〜100字)
最初に、出来事の前の自分がどう考えていたか、どう感じていたかを書きます。
これが後での変化との比較になり、説得力を生みます。
例:
「私は以前、人に頼ることは弱さの表れだと思っていました。」
② 本文1:出来事の具体的な描写(150〜200字)
次に、考え方が変わるきっかけになった出来事を具体的に描きます。
「何が起きたのか」「誰との関わりか」「そのとき何を感じたか」が伝わるように書きましょう。
例:
「学校の合唱コンクールで、自分ひとりで抱え込んでいた仕事を、仲間に相談したとき…」
③ 本文2:その出来事を通じた変化の内容(200〜220字)
ここで、「前と何がどう変わったのか」を明確に説明します。
気持ち・考え・行動の変化を具体的に書くのがポイントです。
例:
「それ以来、人に頼ることは信頼の一歩だと思えるようになりました。」
④ まとめ:その変化をどう今後に活かすか(80〜100字)
最後は、変化した自分が今後どんなふうに生きていきたいか、どんな力を伸ばしたいかを前向きに書きましょう。
例:
「これからも人と助け合いながら、チームで力を発揮できる自分を目指したいです。」
構成まとめ表
パート | 内容 | 目安字数 |
---|---|---|
導入 | 以前の考え・見方 | 80〜100字 |
本文① | 出来事の具体的な描写 | 150〜200字 |
本文② | 変化の内容・その理由 | 200〜220字 |
まとめ | 今後の活かし方・目標 | 80〜100字 |
4:実際の作文例
私は以前、自分の意見を積極的に言うことは、わがままだと思っていました。まわりに合わせることが大事だと考え、自分の考えを言わずにいることが多かったです。協調性があるのは良いことだと思っていたからです。しかし、心の中では「本当はこう思っている」と感じることもあり、少しモヤモヤしていました。
そんな私の考えが変わったのは、中学2年のクラス討論会がきっかけです。テーマは「スマートフォンの使用時間について」でした。私はなるべく発言を控えていましたが、あるクラスメイトが「田中さんの意見も聞きたい」と声をかけてくれました。少し勇気を出して自分の考えを伝えたところ、「その視点はなかった」「考えが深まった」と言ってもらえ、とてもうれしかったです。
それ以来、自分の意見を持ち、それを伝えることはグループ全体の学びや理解を深めることにつながると気づきました。自分の言葉が誰かの考えに影響を与えることもあるとわかり、意見を伝えることに前向きになれました。人と話すことが楽しみになり、自分に自信も持てるようになりました。この経験を通して、自分の考えを伝える大切さを学びました。これからも、自分の意見をしっかり持ちつつ、まわりの意見も尊重しながら、人と意見を交わせる力を身につけていきたいです。そして、自分の言葉に責任を持ち、多くの人と前向きな関係を築けるよう努力したいです。(582文字)
5:まとめ
小松川高校の推薦入試で出題されたこの作文は、「考え方の変化」というテーマを通じて、自分の内面をふり返る力が問われる課題です。
この作文で評価されるポイントは次の3つです。
- 自分にとって意味のある出来事を選べているか
- その出来事を通して、何がどう変わったかを具体的に伝えられているか
- その変化を前向きにとらえ、これからにどうつなげたいかが書けているか
このような作文は、正解が決まっているわけではありません。
「小さな出来事でも、自分の中でどんな気づきがあったか」を、正直な言葉でしっかり表現することが大切です。
自分自身の変化に気づくことは、大人になってからも役立つ大切な力です。
あなたが変わったきっかけを、自分の言葉で表現することで、面接でも話せる「自分の強み」になります。
ぜひ、自分の過去と向き合いながら、「今の自分」をしっかり伝えられる作文に仕上げましょう!
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