Column
都立小松川高校推薦入試男子作文解説・平成31年度(2019年度)
都立高校別対策
2025.07.17

2050年という未来を想像すると、今とは全く違った新しい技術や発明が私たちの生活を大きく変えているかもしれません。
今から30年近く先の未来にどのようなものが発明・開発され、それが人々の生活にどう活用されているのかを考えることは、単なる空想ではなく、私たちがこれからの社会を主体的に創り出していくための重要な第一歩です。
小松川高校がこのテーマを出題したのは、受験生が現状を的確に捉え、自由で豊かな発想力をもって未来を具体的にイメージする力を評価するためです。
未来の社会を具体的にイメージし、自分自身の考えやアイデアを相手にわかりやすく伝えることが、この作文では求められています。
この記事では、未来に起こりうる技術の進歩を具体的に描き出し、自分の言葉で説得力ある文章としてまとめるためのポイントを分かりやすく解説していきます。
目次
問題の構成と出題のねらい
平成31年度の小松川高校推薦入試(男子)作文は、「2050年までに発明・開発されていそうなものやこと」を具体的に考え、それらが私たちの生活の中でどのように活用されているかを述べるという課題です。
問題の具体的な条件は次のとおりです。
- 未来(2050年)をイメージして具体的な技術・アイデアを挙げること
- 「発明」「開発」のどちらかを、作文の中で一度だけ使うこと
- その技術・アイデアが私たちの生活にどのように役立っているかを具体的に示すこと
この出題のねらいは、受験生が単なる想像にとどまらず、未来の社会について具体的に考える力、そしてその考えを明確に文章化する表現力を持っているかどうかを見極めることです。
小松川高校は、受験生が柔軟な発想力や論理的な思考力を持ち、自分の考えを具体的で説得力のある形で伝えることができるかを評価しようとしています。
また、「発明」「開発」という言葉の使用を制限することで、語彙や表現の工夫をする力も同時に見ています。
つまり、この作文では、未来を主体的に想像する力と、それを読み手に明確に伝える表現力が求められているのです。
作文で求められる力と重要な3つのポイント
小松川高校推薦入試の作文で特に求められているのは、未来の社会を具体的にイメージし、その内容を読み手にわかりやすく伝える力です。
以下の3つのポイントを意識して取り組みましょう。
① 独創的な発想力
2050年の社会にどのような技術やアイデアが存在するかを自由に想像することが求められます。
既存の技術をただ進化させるだけではなく、自分なりの視点や独創的なアイデアを盛り込むことで、作文がより魅力的になります。
② 具体的で説得力のある表現力
自分がイメージした未来の発明や開発が、実際にどのように役立つのかを具体的に表現する力が必要です。
抽象的な説明だけでなく、日常生活にどのように役立つかを具体例を使って示すことで、文章に説得力が生まれます。
③ 明確な構成力と論理性
作文全体の流れを整え、読者に分かりやすく伝える構成力が大切です。
「発明」「開発」のどちらかを一度だけ使う制限の中で、表現を工夫し、序論・本論・結論を意識して論理的な文章を作る力が求められます。
この3つのポイントを押さえた作文に仕上げることで、小松川高校が評価する発想力・表現力・構成力を効果的にアピールすることができます。
構成のポイントと書き方の流れ
都立小松川高校推薦入試作文で、未来の「発明・開発」をテーマにした作文を書く際には、以下のような構成を意識すると、分かりやすく魅力的な文章になります。
【序論】未来の発明や開発の提示(約100~150字)
- はじめに、2050年までに実現しそうな具体的な技術やアイデアを示します。
- なぜその技術やアイデアを選んだのか、簡単に理由を説明しましょう。
【本論①】具体的な活用方法(約200~250字)
- その技術やアイデアが、私たちの日常生活でどのように活用されているかを具体的に述べます。
- 活用の場面や効果をできるだけ詳細に示し、イメージが浮かぶように書きましょう。
【本論②】社会や人々への影響(約150~200字)
- その発明や開発が人々の暮らしや社会全体に与える影響を述べます。
- 良い点や役立つ面だけでなく、社会の課題を解決する可能性なども具体的に伝えましょう。
【結論】自分の考えや期待(約50~100字)
- 提示した技術やアイデアを通して、自分が未来の社会に何を期待するか、どのように関わっていきたいかなど、自分の考えをまとめます。
- 前向きで主体的なメッセージを込めると、読み手に良い印象を与えます。
この流れをしっかり意識しながら作文を書くことで、自分の考えを具体的に、かつ説得力を持って伝えることができます。
実際の作文例
私は、2050年までに「自動運転車」が広く社会で活用されていると考えている。すでに技術開発は進んでいるが、2050年には完全な自動運転が実現し、人々の生活がより便利で安全なものになっていると思う。
まず、自動運転車が普及すると、交通事故が劇的に減少するだろう。人間の判断ミスや注意不足による事故がほとんどなくなるからだ。また、運転が苦手な人や高齢者、障がいのある人も安心して外出ができるようになる。私の祖父母は現在、運転免許を返納し、移動が困難になっているが、自動運転車があれば自由に買い物や旅行にも出かけられる。さらに、過疎地に住む人々も交通手段が確保され、より安心して暮らすことができるだろう。
また、交通渋滞や環境問題の改善にもつながるはずだ。自動運転車はコンピューター制御により効率よく走行し、無駄な停止や加速を減らすため、排気ガスも大幅に削減できる。渋滞が減れば、人々のストレスも軽減し、通勤や通学にかかる時間も短縮されて、より時間を有効に使えるようになるだろう。
私は、自動運転車の普及によって誰もが安心して移動できる社会が実現することを期待している。そのためにも、これからの高校生活で科学技術についての理解を深め、人々の生活を豊かにするような新しいアイデアを生み出す力を身につけていきたいと思う。2050年の社会に貢献できるよう、積極的に学び続けていきたい。(590文字)
まとめ|未来への想像力を自分の言葉で表現しよう
未来の社会について具体的に想像することは、自分がこれからどんな社会を望み、どんな貢献をしたいかを考える大切な機会です。
作文を通じて、自分のアイデアや希望を具体的に表現することで、主体的に未来を捉える力を育てることができます。
ぜひ日頃から、「こんな技術があったら便利だな」「こんな社会になったらいいな」という想像力を大切にしましょう。
その想像力を自分なりの言葉で丁寧に表現し、将来を前向きに切り拓いていってください。
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