Column

都立小松川高校推薦入試・男子作文解説・平成30年度(2018年度)

都立高校別対策

2025.09.10

平成30年度(2018年度) 都立小松川高校 推薦入試作文(男子) 解説

中学生までの「自由研究」は、身近な現象を調べたり簡単な実験をしたりすることが中心でした。
しかし、高校生の自由研究はそれだけでは終わりません。
自分の興味や将来の進路を意識して、より深い探究を行うことが期待されています。

小松川高校がこの課題を出題したのは、受験生が「高校生らしい探究」とは何かを考え、自分の関心や問題意識を明確に表現できるかどうかを評価するためです。
単なる好奇心にとどまらず、「なぜその研究をするのか」「どのような方法で行うのか」「そこから何を得たいのか」といった視点を持つことが大切になります。

つまり、この作文では自由研究のテーマを通して、あなたの探究心、具体的な行動力、そして学びを将来にどう生かそうと考えているかを示すことが求められているのです。

問題の構成と出題のねらい

問題の構成

平成30年度の都立小松川高校男子推薦入試作文は、「高校1年生の夏休みに自由研究が課されたら、高校生にふさわしい課題として何を研究するか」をテーマにしています。
構成のポイントは次の3つです。

  1. 研究課題の提示
     → 高校生として取り組むにふさわしいテーマを明確に示す。
  2. 研究手段・方法の具体化
     → どのように研究を進めるのか、調査・実験・観察など手段を具体的に述べる。
  3. 課題の意義や目的の説明
     → その研究から何を学びたいのか、どのような成長につながるのかを示す。

出題のねらい

この課題の狙いは、単なる思いつきではなく、自分の関心や学習意欲をもとに、計画的で探究的な学びをイメージできるかを確認することにあります。

  • 探究心の有無
     高校生らしい課題設定ができるかどうかを通じて、学びに対する姿勢を見極める。
  • 具体化する力
     「課題設定 → 研究手段 → 得られる学び」の流れを筋道立てて書けるかを評価する。
  • 主体性と将来展望
     その研究が自分の成長や進路、将来の社会につながることを表現できるかが重要。

作文で求められる力と押さえるべき3つの視点

「高校生にふさわしい自由研究の課題」を考える作文では、探究心・具体性・将来展望の3つが特に重要です。

① 課題設定力(探究心)

高校生らしい研究課題を、自分の関心や社会の課題と結びつけて提示する力が求められます。

  • 単なる好奇心ではなく、学問的・社会的な視点を含めること。
  • 例:「AI技術の仕組みと生活への影響」「地球温暖化と地域の気象データ調査」など。

ポイント:テーマは「高校生だからこそ考えられる」ものを意識する。

② 研究方法の具体性

「どのように調べるか・実験するか」を具体的に書く力が必要です。

  • 書籍や論文を調べる、インターネットでデータ収集をする、アンケートや実験を行うなど。
  • 単なる「調べる」ではなく、具体的な方法を挙げることで実現可能性を示せます。

ポイント:方法と目的がつながるように整理する。

③ 学びの意義と将来への展望

研究の目的を「なぜ取り組むのか」「どのような力を得たいのか」と結びつける力です。

  • 研究を通じて得たい学びを明確にし、高校生活や将来の進路にどう役立てるかを示す。
  • 例:「科学的な思考力を磨き、大学での研究にもつなげたい」など。

ポイント:未来につながる言葉で締めくくると説得力が増す。

構成のポイントと書き方の流れ

この課題は「高校生にふさわしい自由研究」をテーマに、自分の関心を深める力や計画性を示すことが求められます。
説得力を持たせるためには、次のような流れを意識すると良いでしょう。

【序論】課題の提示(約100〜150字)

まず、自分が取り組みたい研究テーマを明確に書きます。

そのテーマを選んだ理由や背景を一言添えると、読み手の興味を引きやすくなります。

【本論①】研究の具体的な内容(約150〜200字)

研究で扱う対象や切り口を詳しく説明します。

「環境問題」「地域の歴史」「最新技術」など、自分の興味と社会性を結びつけると高校生らしさが出ます。

【本論②】研究方法・手段の説明(約200〜250字)

本や資料の調査、インターネット検索、アンケート調査、実験や観察など、具体的にどう進めるのかを書くことが大切です。

「誰から情報を得るのか」「どんなデータを集めるのか」といった細部に触れると実現可能性が伝わります。

【結論】学びの意義・将来へのつながり(約50〜100字)

研究を通してどのような力を身につけたいのかを述べます。

「論理的に考える力を高めたい」「大学進学や将来の職業につなげたい」など、前向きな展望で締めると良いです。

実際の作文例

 もし高校一年生の夏休みに自由研究が課されたら、私は「身近な川の水質と環境の変化」について研究したい。環境問題は世界的な課題であり、地球温暖化や自然破壊が取り上げられることが多い。しかし、私たちが暮らす地域の環境もまた深刻な問題を抱えていると感じている。高校生としての自由研究では、身近な自然に目を向け、地域社会に貢献できるテーマを選びたいと考えた。
 研究の方法としては、まず夏休みの一定期間を使って、地域を流れる川の数か所で水を採取し、濁度や水温、酸素量、pHなどの基本的な水質を測定する。また、周辺の植物や生き物の様子を観察し、写真や記録を残す。さらに、過去のデータや行政の調査資料も図書館やインターネットを使って調べ、比較することで、長期的な変化を明らかにしたい。場合によっては、地域の人にアンケートを行い、昔と今で川の様子がどのように変わったかについて意見を聞くことも考えている。
 この研究を通じて、私は「環境を科学的に調べる力」と「情報を整理し発表する力」を身につけたい。また、地域の自然環境についての理解を深め、自分がどのように環境保護に関わっていけるかを考えるきっかけにしたい。
 自由研究は単なる課題ではなく、自分の関心を探究し、社会と結びつけて考える大切な機会である。私はこの研究を通じて、高校生らしい主体的な学びを実現し、将来の進路にもつなげていきたい。(589文字)

まとめ

自由研究は、ただの課題や宿題ではなく、自分の興味を掘り下げ、主体的に学ぶための大きなチャンスです。
高校生にふさわしい研究とは、身近なテーマをきっかけにしながらも、社会や将来の学びへとつながるような深まりを持つものです。

研究課題を設定し、方法を工夫して調査・分析を行うことで、知識だけでなく計画性や論理的思考力も鍛えられます。
そして、その経験は進路選択や将来の社会での活動にも生きていくでしょう。

ぜひ、高校生活の中で探究心を大切にし、自分らしい自由研究に挑戦してください。
その一歩一歩が、学びの広がりと成長につながっていきます。

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