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令和6年度(2024年度) 都立城東高校 推薦入試作文 解説

都立高校別対策

2025.04.02

令和6年度(2024年度) 都立城東高校 推薦入試作文 解説

この記事は、令和6年度 東京都立城東高校の推薦入試で出題された作文課題について解説するものです。

今回のテーマは「本当のやさしさは、強さや厳しさを伴うものである」という一文に対して自分の体験を通して考えを述べるという課題です。
この作文では、やさしさとは単に「甘やかすこと」ではなく、ときには相手のために厳しくすることも含まれるという視点を持つことが大切です。

この記事では、「やさしさ」について深く考えるためのヒントや自分の経験をもとに作文を書くためのコツ、そして具体的な解答例を紹介します。
作文が苦手な人でも安心して取り組めるよう、分かりやすくまとめているのでぜひ参考にしてください。

はじめに:「やさしさ」ってなんだろう?

「やさしい人」と聞くと、すぐに人を助けてくれる人、怒らずにやさしく接してくれる人を思い浮かべるかもしれません。
でも、それは本当に「本当のやさしさ」なのでしょうか?

ときには、相手のためを思ってあえて注意することや、厳しく接することも「やさしさ」の一つかもしれません。
今回のテーマでは、「やさしさ」に強さや厳しさが必要な理由を、自分の経験から考えていきます。

「本当のやさしさ」に強さや厳しさが必要な理由

やさしさというと、「優しく声をかける」「困っている人を手伝う」などやわらかい印象のある行動を思い浮かべる人が多いかもしれません。

しかし、誰かを本当に思いやるとき、ときには嫌われるかもしれないというリスクを背負ってでも、言うべきことを伝える強さが必要になることがあります。
また、すぐに手を出さず、相手の成長を信じて見守る厳しさが求められる場面もあります。

つまり、「本当のやさしさ」とは、ただ甘やかすのではなく、相手のことを真剣に考えた上での行動であり、そこには勇気や覚悟がともなうのです。

自分が体験した「本当のやさしさ」

ここまでで、「本当のやさしさ」には強さや厳しさがともなうことを学びました。
では、それを作文で表現するにはどうしたらいいのでしょうか?

もっとも大切なのは、具体的な体験談を書くことです。
実際にあったことでも、少しアレンジした想像の話でもかまいません。
ただし、中学生として自然で信ぴょう性のある内容にすることがポイントです。

以下に、体験談の一例を紹介します。


例)中学1年生の部活動での経験

私がこのことを実感したのは、中学1年生のときの部活動での経験です。
私はテニス部に入りたてで、練習にもなかなかついていけず、ミスを連発していました。
ある日、部活の先輩に強く注意され、とてもショックを受けました。

しかし、その後、その先輩は私の練習を丁寧に見てくれたり、休み時間にも声をかけてくれたりしました。
「あのとき、怒ったのは本気で頑張ってほしいからだった」と言ってくれたのです。


このように、「厳しく言われてつらかった経験」と「そのあとで分かった相手の思いやり」を組み合わせると、テーマの言葉にピッタリの体験談になります。

ここでは部活の例を挙げましたが、先生や友達、家族とのやりとりなど、日常の中にも使える体験はたくさんあります。
自分なりのエピソードを思い出しながら書いてみましょう。

その体験から学んだこと

体験を書くだけで終わってしまうと、作文としては「出来事の紹介」で終わってしまいます。
大切なのは、その経験から自分が何を感じ、どんな考えを持つようになったかをしっかり書くことです。

先ほど紹介したテニス部でのエピソードでは、

先輩に注意されたときはショックだったけれど、そのあとで先輩のサポートや言葉を受けて、「あれは自分のためだったんだ」と気づく

という流れになっていました。

体験から以下のような気づきや学びをまとめていくと、読み手に伝わりやすくなります。


■ 例:学んだことの書き方

  • 最初はただ厳しいと思ったけれど、本当は自分を思っての行動だったと分かった
  • 本気で向き合ってくれる人は、時に厳しい言葉をかけてくれる
  • これからは、自分も「やさしさ」と「厳しさ」をバランスよく持ちたい

作文の中でこのような「気づき」をしっかりと書くことで、テーマへの理解の深さが伝わります。
そして、自分の成長やこれからの行動にもつなげられると、より良いまとめになります。

自分の考えをどうまとめるか(作文の構成アドバイス)

作文を書くときに大切なのは、「体験を紹介するだけ」で終わらせずに、自分の考えや気づきを、テーマに沿った形でまとめることです。
そのためには、文章の構成(流れ)をしっかり意識することがポイントです。

以下のような4つの段落構成を意識すると、書きやすく、読みやすい作文になります。


■ 作文の構成モデル(4段落)

  1. 導入(テーマへの自分の考え)
     例:「やさしさとは相手を思いやることだが、本当のやさしさには厳しさや強さが必要だと私は思う。」
  2. 体験の紹介(事実)
     例:「私は中学1年のとき、部活で先輩に厳しく注意された経験がある。」
  3. 体験からの気づき(考察)
     例:「その後、先輩は私を丁寧に指導してくれた。厳しさの中に本当のやさしさがあったと感じた。」
  4. まとめ(今後の自分の考えや行動)
     例:「私も誰かを本気で思うとき、時には厳しいことを伝えられる強さを持ちたいと思う。」

このように、自分の体験を使いながら、テーマの言葉に対する考えを段階的に深めていくことで説得力のある作文になります。

作文の解答例

「本当のやさしさは、強さや厳しさを伴うものである」という言葉を聞いて、私は中学一年のときの部活動での経験を思い出しました。私はテニス部に入りたてで練習についていけず、ミスばかりしていました。ある日、先輩から「もっと集中して練習しよう」と厳しく注意され、とても落ち込みました。そのときは、ただ怒られたという気持ちしかありませんでした。しかし、次の日から先輩は、休み時間にも私のフォームを見てアドバイスをくれたり、練習後に「今日はよく頑張ってたね」と声をかけてくれたりしました。そして、「本気で頑張ってほしいから、あえて厳しく言ったんだよ」と言ってくれたのです。そのとき、私は初めて「本当のやさしさ」とは、ただやさしい言葉をかけることではなく、相手のことを本気で思って厳しいことを伝えることだと気づきました。自分のために、嫌われるかもしれない覚悟で注意してくれた先輩の行動に、本当の思いやりを感じました。今では、あのときの経験が私の考え方を変えるきっかけになったと思います。あの先輩のように、必要なときには勇気を持って行動できる人になりたいと思うようになりました。
 これからは私も、誰かと関わるときには、その人のことを本気で考えた行動ができるようになりたいと思います。そして、自分がされたように、相手の成長を信じて支えられる人になりたいです。(570文字)

この記事のまとめ

令和6年度の都立城東高校の推薦入試では、「本当のやさしさは、強さや厳しさを伴うものである」というテーマが出題されました。
この課題は、日常の中で感じた「やさしさ」について、自分自身の体験を通して深く考え、自分の言葉で伝える力が求められるものです。

このようなテーマに取り組むためには、次のポイントを意識すると書きやすくなります。

  • 「やさしさ」とは何か、自分なりに定義する
  • 自分の体験を具体的に思い出し、それに関連づける
  • その体験から何を学び、どう感じたかを言葉にする
  • 最後に、自分の考えや今後の行動へつなげる

今回紹介した作文の構成例や解答例を参考に、自分なりのエピソードや意見を大切にしながら作文にチャレンジしてみてください。

推薦入試では、「正解のない問い」に対して、自分の頭で考え、自分の言葉で伝えることが何より大切です。
日ごろから身近な出来事や感情に目を向け、「考える習慣」をつけていきましょう。

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