Column
都立城東高校推薦入試小論文解説・令和4年度(2022年度)
都立高校別対策
2025.05.30

城東高校の推薦入試(令和4年度)では、「書くことによって認識することは、人生を豊かにする。」という言葉をもとに、自分の体験を挙げて考えを述べる作文が出題されました。
「書くこと」とは、日記や感想文、メモ、作文など、自分の気持ちや考えを言葉にする行為です。
普段何気なくやっているかもしれませんが、実は書くことには「自分の本音に気づく」「忘れていた感情を思い出す」「考えが整理される」といった大きな力があります。
そしてその「気づき」は、考え方を変えたり、人との関係を深めたり、自分を見つめ直したりと、人生をより豊かにするきっかけになるのです。
この作文では、
- 「書くことで何に気づいたのか」
- 「どんな体験があって、それがどう影響したのか」
- 「なぜそれが“人生を豊かにする”ことにつながったのか」
を、自分の言葉でしっかりと書くことが求められます。
この記事では、このテーマをどう読み解き、どんな構成で書けばよいかを、具体例とともにわかりやすく解説していきます。
自分と向き合い、自分を深く知る作文を一緒に書いていきましょう。
1:問題の構成とねらい
この作文の課題文は、次のような形で出題されました。
【課題文】
「書くことによって認識することは、人生を豊かにする。」という言葉がある。
自分の体験を例に挙げ、この言葉についてのあなたの考えを述べよ。
(540〜600字)
この課題は、一見抽象的なテーマに見えますが、実際にはとても身近な体験をふまえて、自分の思考の深まりや気づきを表現することが求められています。
書くべき要素は主に2つです
① 書くことを通じて気づいた「認識」とは何か
→ 何かを書いたときに、自分の考え・感情・状況などに新たに気づいた経験をふり返りましょう。
② その気づきが「人生を豊かにした」とはどういうことか
→ 気づいたことによって、考え方が変わった・人との関係が良くなった・前向きになれたなど、内面の成長や人生の充実感をどう感じたかを書くことがポイントです。
高校側が見たい力はこの3つ
- 自分の体験から意味を引き出す力(思考力・ふり返り力)
- 抽象的な言葉を、自分の言葉で具体化する力(解釈力・表現力)
- 感情や成長を論理的に伝える力(構成力・論理性)
つまり、「書く」ことを通じて自分と向き合える力があるかどうかが試されているのです。
2:作文で求められる力
この作文では、抽象的な言葉(=「書くことによる認識」「人生を豊かにする」)を、自分の経験を通じて具体的に説明する力が求められています。
特に大切なのは、次の3つの力です。
① 抽象を具体に変える力(言葉の意味を自分の体験に落とし込む)
「書くことによって認識する」とはどういうことか――。
これを自分の体験とつなげて考えることが重要です。
例:
- 日記や作文を書いて、自分の気持ちに気づいた
- 感想文で本の内容がより深く理解できた
- 手紙やメモを書く中で、相手との関係に変化があった
「書いたからこそ見えてきたこと」に注目する視点が大切です。
② 気づきと成長を表現する力(「豊かになった」とは何か)
人生が「豊かになる」とは、モノが増えることではなく、心が成長したり、価値観が広がったりすることです。
その気づきによって、
- 自分が前向きになった
- 他人との関係がよくなった
- 将来への考え方が変わった
など、変化や成長を説明する力が求められます。
③ 文章を構成する力(筋道立てて書く力)
この作文では540〜600字の中で、
- 「言葉の意味」→「体験」→「気づき」→「成長や今後」
という流れを意識して書くことが重要です。
構成を意識すれば、読み手に伝わるわかりやすい作文になります。
3:構成のポイントと書き方の流れ
この作文では、「抽象的なテーマ」+「自分の体験」+「気づきや成長」の3つを、自然な流れでつなげていく構成がポイントです。
以下の4段構成で書くと、読みやすく、論理的な作文になります。
① 導入:言葉の意味と自分の考え(80〜100字)
まずは、「書くことによって認識することは、人生を豊かにする」という言葉を自分なりに解釈して紹介しましょう。
例
「私はこの言葉を、書くことを通じて自分の気持ちや考えに気づき、そのことで人生の見え方が変わるという意味だととらえました。」
② 本文1:自分の体験の具体的な紹介(150〜200字)
次に、「書いたことによって気づきを得た体験」を具体的に紹介します。
日記・作文・感想文・手紙・メモなど、何を書いたか、そのときの状況や気持ちも添えて描きましょう。
例
「私は中学1年生のとき、夏休みの日記に毎日の出来事と感じたことを書いていました。ある日、日記を読み返してみると…」
③ 本文2:その体験による気づきと変化(200〜220字)
その出来事によって、「何を認識したか」「それがどう自分の考え方や行動を変えたか」を詳しく書きます。
この部分が“人生を豊かにする”とは何かを説明する核心になります。
例
「自分では何もできていないと思っていた日々にも、小さな成長や喜びがあったことに気づき、前向きになれました。」
④ まとめ:これからにどう活かしたいか(80〜100字)
最後は、その気づきを今後どう活かしたいか、自分の生き方にどうつなげたいかを前向きに締めくくりましょう。
例
「これからも書くことを大切にし、自分をふり返る時間を通して、少しずつ自分を成長させていきたいです。」
構成まとめ表
パート | 内容 | 目安字数 |
---|---|---|
導入 | 言葉の意味と自分の考え | 80〜100字 |
本文① | 書くことによって得た体験 | 150〜200字 |
本文② | その体験からの気づき・変化 | 200〜220字 |
まとめ | 今後への意欲・活かし方 | 80〜100字 |
4:実際の作文例
「書くことによって認識することは、人生を豊かにする。」という言葉を読んで、私は、書くことで自分の考えや感情に気づき、それによって自分自身の見方が変わるという意味だと感じました。書くという行為には、自分と向き合い、心を整理する力があると思います。
私は中学1年のときから、毎晩寝る前に日記を書く習慣があります。ある日、友人とけんかした出来事について日記に書いたとき、「どうしてあんなことを言ってしまったのか」とふり返るうちに、自分の言葉が相手を傷つけたことに初めて気づきました。それまでは自分が正しいと思っていたのですが、書くことで冷静に自分の行動を見つめ直すことができたのです。その気づきをきっかけに、私は「人との関わり方」について意識するようになりました。相手の立場になって考えることの大切さを学び、以前よりも言葉を選んで話すようになりました。もしあのとき、日記を書いていなければ、自分の間違いにも気づかず、同じことを繰り返していたかもしれません。
この体験を通して、書くことには単なる記録以上の意味があると実感しました。書くことで自分をふり返り、新しい視点を得られたことは、私にとって大きな成長です。これからも書くことを通じて、自分自身を見つめ直す時間を大切にし、より深く物事を考えられる人になりたいです。(558文字)
5:まとめ
城東高校の推薦入試で出題されたこの作文は、「書くこと」によって自分自身をふり返り、内面の気づきや成長を言葉で表現する力が求められる課題でした。
評価されるポイントは次の3つです。
- 「書くことで気づいたこと」が具体的に書かれているか
- その気づきが、自分にとってどんな変化や成長につながったかが説明されているか
- その経験を今後の人生にどう活かしていきたいかが述べられているか
この作文では、大きな出来事や成功体験を書く必要はありません。
日常の中の「ふと気づいたこと」「書くことで整理できた感情」など、等身大の体験を大切にすることが、読み手の心に届く作文につながります。
自分の気持ちや考えを言葉にする力は、これからの高校生活でも、将来の社会でも必要な力です。
作文を書くことを通して、自分の内面としっかり向き合い、自信を持って表現できる力を身につけていきましょう。
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