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【2024年度最新版】都立高校入試国語共通問題の傾向と対策
都立高校入試共通問題対策
2023.04.25
この記事はこんな方にオススメ!
・都立高校入試の国語共通問題で高得点が取りたい。
・都立高校入試の国語共通問題が苦手。
・都立高校入試の国語共通問題の記号問題をなんとなく選んでいる。
・都立高校入試国語の勉強法やテクニックが知りたい。
目次
都立高校入試国語共通問題の概要
都立高校入試の国語には共通問題と自校作成問題があります。一部の「自校作成校」と呼ばれる高校は独自の問題を使って入試を行い、それ以外の高校はすべて、「共通問題」と呼ばれる同じ問題を使用します。
この共通問題は漢字20点、記号70点、作文10点の100点満点のテストです。別の分け方をすると漢字20点、物語文25点、説明文20点、古典を題材にした鑑賞文あるいは対談25点となっています。以上から分かる都立高校入試国語共通問題の特徴は以下の4つです。
①漢字問題の配点が20点と高い
②記号問題が多いため、正解の候補を2つまで絞っても2択を外したら0点
③記号問題が多いため、なんとなく解いてもなんとなく点がとれてしまう可能性がある
④古典を題材にした鑑賞文という独特なジャンルの文章が毎年出題される
以上のような特徴を持つ都立高校入試国語の共通問題で安定して目標点以上の点をとるための情報をお届けします。
都立高校入試国語大問1
大問1は漢字の読みが出題されます。1問2点で5問出題され、全体で10点の配点です。
特徴としては、
・小中学校の9年間で学んできた漢字の中から出題される
・漢字の音読みと訓読みがほぼ同じ割合で出題される
が挙げられます。
訓読みは広く知られていても音読みはあまり知られていない漢字があります。逆もまたしかりです。例えば、2023年度入試に「河畔」の読みが出題されました。
「河」の字は訓読みの「かわ」はとても有名ですが音読みの「カ」はあまり知られていません。答えは「かはん」です。おそらくですが、似たような言葉でもっと知られている「こはん」と答えた人が多かったのではないでしょうか。
また、2023年度は「慕っている」の読みも出題されていました。こちらは音読みの「ボ」は知っていても訓読みの「した(う)」を知らなかった人がいるかもしれません。したがって、都立高校入試国語共通問題大問1の最も確実な対策は「小中9年間で習ったすべての漢字のすべての音読み・訓読みを確認しておくこと」になります。
しかし、「それはめんどくさい」「そんな時間はない」という方も多いと思います。そういった方々のために後でお勧め教材を紹介しますので、そちらを是非チェックしてください。
都立高校入試国語大問2
大問2は漢字の書きが出題されます。こちらも1問2点で5問出題され、全体で10点の配点です。
特徴としては、
・小学校の6年間で習った漢字の中から出題される
・漢字の音読みと訓読みがほぼ同じ割合で出題される
が挙げられます。
高校入試なのに小学校で習った漢字しか出題されないのは以外だと思いますが、そうなっています。例えば2023年度入試の漢字はそれぞれ「投げる」「宇宙」「永遠」「著しく」「秒」でした。すべて小学生のうちに習う漢字です。(学年別漢字配当表で確認しました。)
こちらも大問1と同じく「音読みは知っているけど訓読みは知らない」「訓読みは知っているけど音読みは知らない」漢字が要注意です。例えば2023年度入試では「著」という字の音読み「チョ」は知っていても「いちじるしい」という訓読みを知らない人が一定程度いるだろうということで出題されているような気がします。2022年度入試では「健やか」の読みが出題されました。こちらの方がより顕著ですね
「健」の字は「ケン」という音読みを知らない人は少ないと思いますが「すこ(やか)」という訓読みはそれに比べれば知っている人は少ないと思います。こういった漢字の用法が狙われます。また、同音異義語にも注意です。例えば、2023年度の入試では先ほど紹介した通り「ビョウ」の漢字を書く問題が出題されました。「ビョウ」を漢字で書くと「病」「票」「描」といったものもあり得ます。
しかし、この問題の正解は「秒」のみでした。なぜかというと、問題文が「長距離走のタイムをビョウの単位で計る。」だったからです。時間の話をしているので、「ビョウ」と読む漢字のうち「秒」だけが正解となります。同音異義語に注意するために、傍線が引かれている箇所だけでなく問題文全体を読んで文脈で答えを考える必要があります。
都立高校入試国語共通問題大問1・大問2対策の教材3選
こうした特徴を踏まえたお勧め教材を3つご紹介します。
1『正しく書ける 正しく使える 小学全漢字1026』
都立高校入試漢字の対策教材を質問されて、この教材を紹介すると驚かれるまたは不思議そうな顔をされることが多いです。「なぜ高校入試対策教材として小学生用の教材を推奨してくるのだろう」という気持ちになりますよね。しかし、先ほどの大問2の出題内容を読んでくださったあなたはそうは思わないですよね。小学校で習った漢字の音読み・訓読みの用法を知っておくことがとても重要だと分かってくれているかと思います。この本の良いところは、漢字1字ごとに音読み・訓読みを紹介するだけでなくたくさんの「使い方」や「注意点」を紹介してくれるところです。
2『高校入試出る順中学漢字スタートアップ基本漢字1400』
この教材の「読み方」「書き取り」の項に是非取り組んでください。小学校で習った漢字も使った読み・書きの問題を練習することができます。
3『高校入試 出る順中学漢字スタートアップ 受験漢字1900』
タイトルからお分かりの通り、②の続編です。特に中学で習う漢字が出題される大問1の対策に有効です。ここまでマスターしておくと都立高校入試国語共通問題の大問1・大問2は得点源にできると思います。
都立高校入試国語大問3
大問3は物語文、つまり小説が出題されます。読解の記号問題が5問、1問5点で計25点の配点となっています。
大問3の特徴は、
・主人公が受験生と同世代(中高生)
・主人公が大人(ほぼ同世代の先輩であることもある)と関わっていく中で心情が変化する
・その心情変化はマイナスの心情からプラスの心情への変化である
・なので、心情そのものを問う問題とその心情になった(変化した)理由が出題される
・文中の表現の正しい説明を選ぶ問題が出題される
となります。補足します。
まず、「主人公が受験生と同世代(中高生)」に関しては、平成28年度入試からの7年間で例外が1年だけあります。2019年度入試のみ主人公が「馬淵」という名の社会人になる娘のいる男性でした。それ以外の年は中高生(あるいは中高生と思われる若者)が主人公です。そして、主人公の心情が例えば2022年度入試だと「戸惑い」「ためらい」といったマイナスの心情から「新たな視点で父について考えてみようという前向きな気持ち」といったプラスの心情に変化しています。そして、その両方が設問として問われています。
表現について問う問題は、ある表現が「説明的なものか」「順序だてたものか「論理的なものか」「写実的か」「対比しているものか」「例えを用いて何かを強調しているか」「短く区切っているか」といったものを問う問題です。なかなか厄介な問題なので、解くためのテクニックを紹介します。
都立高校入試国語共通問題大問3のテクニック3選
というわけでテクニックのご紹介です。3つ紹介します。
①心情を「プラス」か「マイナスか」で捉える
②情景描写を心情の読み取りに活用する
③表現の問題には(ほぼ)正解にならない選択肢がある
まず①について説明します。例えば、「嬉しい」と「楽しい」は別の心情ですが、大問3を解くうえでは区別しなくて大丈夫です。先ほど紹介した通り、主人公の気持ちがマイナスからプラスに変化しますので、それに気が付くことができるかどうかが大事だからです。「ここではマイナスの心情」「ここはプラスの心情」といった風に読んでいきましょう。
次に②について説明します。このテクニックを紹介するために私がいつも活用しているのが平成28年度入試の大問3問5です。この問題を大まかに紹介すると「主人公は夕日のなかで野球の練習をしていたが、気が付いたら周囲には薄闇が広がっていた」という状況の問題です。さて、「気が付いたら周囲には薄闇が広がっていた」で筆者は何を表現しようとしているでしょうか。正解は、「主人公がいかに練習に夢中になっていたか、集中していたか」ですね。これが分かればこの問題は正解できます。正解となる選択肢には「練習に没頭していた」という箇所があります。ここに注目してこの選択肢を選べば5点獲得です。この例で顕著なように、情景描写が主人公や他の登場人物の心情を読み解くうえで重要なアイテムになることがあります。
最後に、表現問題の選択肢についてです。あまり絶対視はしてほしくないのですが「説明的に」「論理的に」「順序立てて」と書いてある選択肢は正解にならないと考えて大丈夫です。なぜならば、説明的に・論理的に・順序立てて書かれている文章を読み解くのは大問4でやることだからです。このテクニックを使えば表現の問題の選択肢を1つ減らすことができます。
都立高校入試国語大問4
大問4は論説文(説明文、評論文とも言いますね)が出題されます。記号の読解問題が4題と200字作文が出題され、配点は5点×4+10点=30点となっています。
大問4では、筆者は1つの主張をしているのでその内容を理解することが何よりも重要です。次に、筆者がどうやってその主張に説得力を持たせようといているかを理解することが重要です。この2つを意識して大問4の本文を読みましょう。
大問4の特徴的な問題として、「段落の役割を問う問題」があります。この問題は、ある段落が「新たな視点を示しているか」「具体例を提示しているか」「順序立てて説明しているか」「それまでの内容を要約しているか」「それまでと反対の内容を述べているか」といった役割のうちどの役割を果たしているのかが問われます。文章において、筆者の主張だけでなくそれに説得力を持たせるプロセスに注目して読んでいくことでこの問題にも正解することができます。
200字作文について
大問4では、200字作文が出題されます。これは、本文中の筆者の主張を踏まえたうえで与えられたテーマに関する自分の意見とそれに説得力を持たせるための具体的な体験・見聞を書く作文です。
意識してほしいことは、
・180字以上の作文を書く
・誤字・脱字のない作文を書く
・「筆者は~と述べています」などといったかたちで、自分がこの文章の筆者の主張を読解できていることをアピールする
・筆者の主張に対する自分の見解を述べる(賛成しておくと書きやすい)
・自分の見解に説得力を持たせる体験談を書く(都合の良い作り話でOK)
の5つです。
これらを意識すれば、比較的短時間で10点満点中7~8点をとる作文を書くことができるようになります。
都立高校入試国語共通問題大問4のテクニック6選
1正攻法で文章のテーマを特定する
この問題を解く受験生全員に共通する点として「生き物」「人間」「現代人」「日本人あるいは日本に住んでいる人」といった特徴が挙げられます。それを利用して、「生き物⇔AI」「人間⇔他の生き物」「現代人⇔古代人/中世人/近代人」「日本人⇔欧米人」といった対比がテーマの根幹を成していることがほとんどです。これを意識しておくと、本文の開始数行でテーマを特定することができます。
2ちょっとずるい方法で文章のテーマを特定する
「①のようなことを言われても難しくてピンとこない…」という人のためのテクニックです。ズバリ、「問5の200字作文のテーマを見ましょう!」です。問5の200字作文は筆者の主張を踏まえて書くものであるため本文のテーマと強く関連したテーマになっています。したがって、200字作文のテーマは本文全体のテーマと同じかほぼ似ているものになります。これを利用しましょう。
3繰り返し出てくる語句に注目する
大問4の文章はそれなりに長いですが、文章全体を通してテーマは1つです。ずっと1つのことしか言っていません。したがって、ある単語やフレーズが何度も繰り返されることになります。そして、その繰り返されている言葉が文章全体のテーマを示すことが多いです。
4「一般論/譲歩表現」+「逆接」+「主張」のかたちに注目する
筆者の主張を特定するために大変有効なテクニックです。例えば、「普通の人はこう考えているが、私はこう考えている。」「確かにこういう欠点もあるかもしれないが、それでもこの方法は○○な理由で非常に有効である」といった表現です。これを使いこなすと筆者の主張がスムーズに発見できます。
5接続語のはたらきを覚える
段落の役割を特定することに有効です。接続語は文と文をつなぐ役割を果たしますが、段落の冒頭に置かれることで段落と段落をつなぐ役割を果たすこともあります。これに注目すると段落の役割を特定することができます。例えば「ところで」とい「さて」という接続語があれば「ここで話題が変わった」ということが分かります。接続語のはたらきを覚えておくことで段落の役割を特定するためのヒントにすることができます。
6時間がかかるなら200字作文は大問5を解いた後で書く
タイムマネジメントのテクニックです。都立高校入試国語共通問題は50分で解く問題です。しかも朝いちばん初めに受験する科目です。自宅から試験会場への移動や早朝であることや緊張などもあって「最後まで読み終わらなかった、解き終わらなかった」となる人も多いです。
そうなってしまったときの失点を最小限に抑えるためにも有効なテクニックです。200字作文に時間をかけすぎてしまい、大問5を丸々落とす人や最後の数問を勘でマークせざるをえなくなる人がいます。後ほど詳しく述べますが、大問5配点が25点です。200字作文の10点のために25点を捨ててしまうのはもったいないですよね。
200字作文に時間がかかりすぎるという人は、200字作文より先に大問5を解くことで点数がアップする場合があります。もちろん、200字作文を書く時間を短縮する練習をするのが最も望ましいですが、どうしても200字作文に時間をかけすぎてしまうという人は活用を検討する価値がありテクニックだと思います。
都立高校入試国語大問5
大問5は、古典を題材にした鑑賞文あるいは対談の読解です。例えば、2023年度入試では清少納言の『枕草子』と紫式部の『源氏物語』についての対談が出題されました。
特徴としては、
・ある程度出題作品やジャンルが決まっている
・文法問題が1題出る
が挙げられます。
大問5では、超有名作品や超有名人のみがテーマとなります。先ほど紹介した清少納言の『枕草子』と紫式部の『源氏物語』のほかには、在原業平が主人公の『伊勢物語』、鴨長明の『方丈記』、松尾芭蕉といったテーマが出題されています。また、和歌に詠まれている昔の日本人の価値観や明治以前(特に古代)の日本人にとって漢文や中国の文物がどのような存在であったかについても出題されます。テーマをある程度絞ることができるのが大問5の特徴です。
文法問題が出題されることも大問5の特徴です。文法問題といっても、これまでのところある程度バリエーションが決まっています。例えば「歴史的仮名遣いと現代仮名使いの違い」「助詞の意味・用法」「言葉の係り受け」です。8年間でこの3つしかパターンがありませんでした。つまり、まずはこの3つについて対策や練習をしておくことが重要となります。
都立高校入試国語共通問題大問5のテクニック1選
大問5で紹介したいテクニックは1つです。ズバリ、
・主な人物や作品について知っておく
です。
先ほど紹介したように、大問5ではテーマとなる人物や作品がある程度絞られています。それらについての予備知識があれば、文章を読む速さや問題を解く速さ、そしてそれらの正確性が高まります。これを意識して学習していきましょう。
都立高校入試国語共通問題大問3・4・5対策の教材6選
1『ひとつずつ すこしずつ ホントにわかる中1からの国語文章読解』
これは、非常にシンプルに文章読解のコツを紹介してくれています。国語の勉強に自信がない人はこの本から始めると良いです。
2『こわくない国語文章の読解 (くもんの高校入試スタートドリル)』
①を終えてもう少し練習を積み重ねたい人にお勧めです。
3『やさしい中学国語 改訂版』
①②を終えた人や①②が簡単すぎると感じた人にお勧めです。文章読解の章ではコツを丁寧に説明してくれています。
4『現代文の解法 読める! 解ける! ルール36』
①~③が終わった人や国語がある程度得意な人にお勧めです。文章読解のコツを詳しく学ぶことができます。高校に進学してからも役に立つレベルです。
5『くもんの高校入試スタートドリルこわくない国語古文・漢文』
大問5でテーマとなる作品について触れることができます。マンガを交えた説明が非常にわかりやすく、初めの1冊に最適です。
6『こわくない国語文法・漢字・ことば (くもんの高校入試スタートドリル)』
多くの人が苦手とする文法について学ぶ初めの1冊として最適です。この本で文法について学んだあと、各種ドリルで演習すれば万全に近い状態になるかと思われます。
以上が都立高校入試国語の対策です。
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