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都立深川高校普通科推薦入試作文解説・令和6年度(2024年度)

都立高校別対策

2025.04.07

令和6年度(2024年度) 都立深川高校普通科 推薦入試作文 解説

都立深川高校普通科の推薦入試では、学力だけでなく、「自分の考えを的確に表現する力」や「他者との関わり方」など、人間性や将来の可能性を評価することが重視されています。
そのため、小論文や作文の課題では、あるテーマに対して自分の意見を持ち、それを根拠とともに論理的に述べる力が問われます。

令和6年度(2024年度)の推薦入試では、「対話」をテーマとした作文課題が出題されました。
具体的には、

「文章を読み、『対話』に大切なものはどのようなものかを踏まえ、あなたが高校生活で実践していきたい対話方法について、具体的な経験も含めて述べる。」

という設問が与えられました。

ここで重要なのは、「課題文の内容を踏まえて考えること」と「自分の経験をもとに高校生活での行動目標を述べること」の2点です。
つまり、与えられた文章を読み取り、それを土台に自分の考えを発展させて書くことが求められています。

ただし、本記事では当日与えられた文章(課題文)を入手することができませんでした。
したがって、以下では一般的に「対話」において大切とされる考え方をもとに、作文の書き方や構成、注意点などを解説していきます。

この解説を通して、読者のみなさんが次の機会にしっかりと自分の考えを表現できるようになることを目指します。
作文は「才能」ではなく「練習と工夫」で必ず上達します。一緒にポイントを押さえて、書ける力を身につけていきましょう!

問題文の読み解き方

作文問題をしっかり書き切るためには、まず設問の意図を正確に読み取ることがとても大切です。
今回の設問をもう一度確認してみましょう。

「文章を読み、『対話』に大切なものはどのようなものかを踏まえ、あなたが高校生活で実践していきたい対話方法について、具体的な経験も含めて述べる。」

この設問は、大きく分けて3つの要素を含んでいます。

(1)「対話に大切なものは何か」を考える

ここでの「対話」とは、ただ言葉を交わすだけではなく、相手の気持ちや意見を理解し合いながら、より良い関係を築いていくためのやりとりを指します。
例えば、次のような要素が「対話に大切なもの」として考えられます:

  • 相手の話をしっかり聞く姿勢(傾聴)
  • 自分の意見をわかりやすく伝える力
  • 相手の立場や気持ちを想像する思いやり
  • 対立したときに落ち着いて話し合える冷静さ
  • 相互理解を目指す姿勢

課題文が手に入らないため、ここではこれらの一般的な観点をもとに、考察を進める必要があります。

(2)「高校生活で実践したい対話方法」を述べる

ここが作文のメインテーマです。
高校生活というこれからの場面において、「どんなふうに対話を大事にしていきたいか」を書く必要があります。

たとえば:

  • クラスメイトとよい関係を築くために「まずは相手の話をよく聞くこと」を心がけたい
  • 部活動での意見の違いを乗り越えるために「冷静に伝える力」を伸ばしたい

といったように、自分が実際にどんな行動を取りたいかを具体的に考えていくことが大切です。

(3)「自分の経験を含めて」書く

これは「あなたにとって、なぜその対話方法が大切なのか?」を説明するために、自分の過去の経験を使いましょう、という意味です。

たとえば:

  • 中学校で、誤解が原因で友達とすれ違った経験
  • 部活動で意見がぶつかったときにうまく話せなかった経験
  • 生徒会や係活動で協力して問題を解決した経験

こうした経験を使うことで、作文に説得力が生まれますし、「あなた自身の考え」がしっかり伝わるようになります。

作文で求められる力とは

推薦入試の作文では、「何を書くか」だけでなく、「どう書くか」も非常に大切です。
都立高校の推薦作文では特に次の3つの力が求められます。


(1)読解力と要約力

本来は、与えられた文章(課題文)をしっかり読み取り、その中に書かれている主張や考えを正しく理解した上で、自分の意見を述べる必要があります。

今回は課題文が手元にないため、一般的な「対話」に関する価値観をベースに考えていきますが、**読解力とは、ただ読むことではなく、「書かれていることの意味や背景を読み取る力」**のことです。

また、読み取った内容を短くまとめて作文に活かす要約力もポイントになります。
たとえば、「対話では、相手の話をよく聞くことが大切だと述べられていた」など、シンプルにまとめることが求められます。


(2)自分の経験を活かす表現力

作文は「あなた自身の考え」を伝えるものです。
ただ一般論を述べるだけでなく、「なぜ自分がそう思うのか」を説明するために、自分の体験を取り入れる必要があります。

そのためには、以下のような力が求められます:

  • 過去の経験を思い出し、それが今回のテーマとどうつながるかを考える力
  • その経験をわかりやすく短くまとめる力
  • 読み手に伝わるように、感情や考えを言葉で表現する力

中学生としての素直な視点で書かれた経験談は、とても説得力があります。


(3)論理的な構成力

作文の評価で特に重視されるのが、文章の流れが論理的かどうかです。

作文では、「言いたいこと」がバラバラに並んでいると、読み手にうまく伝わりません。
そこで、「起→承→転→結」や、「序論→本論→結論」といった段落構成をしっかり意識することが重要になります。

具体的には:

  • 序論:問題提起とテーマの提示
  • 本論:自分の考え+経験(根拠)
  • 結論:まとめと高校生活への意欲

このように、順序だてて書くことで、読みやすく、内容の深い作文になります。

書き方のポイント解説

作文を上手に書くには、「何をどう書くか」を事前にしっかり整理しておくことが大切です。
ここでは、「序論」「本論」「結論」の3つに分けて、それぞれのパートで何を書くべきかを具体的に解説していきます。


(1)序論:問題提起とテーマの提示

序論では、まず課題文のテーマを受けて自分の考えを導入することが求められます。

今回は「対話に大切なものとは何か」がテーマなので、次のように始めるのが自然です:

私は、対話において最も大切なのは「相手の話をよく聞くこと」だと考えます。

このように、自分の考えを最初にハッキリ述べることで、読み手に「この作文は何について書かれているのか」がすぐに伝わります。
また、可能であれば、「なぜそのように考えるのか」の理由のヒントを少しだけ入れておくと、次の本論へのつながりがスムーズになります。


(2)本論:具体的経験と対話方法の提示

本論では、あなたの主張の根拠となる経験を具体的に書きましょう。
中学生の普段の学校生活で起きたこと、部活動、友人との関係、係活動など、身近な場面を使うと説得力が増します。

構成のポイントは次のとおりです:

  • どんな場面だったか(誰と、どこで、何が起きたか)
  • そのとき、あなたはどう感じ、どう行動したか
  • その経験を通して、何を学び、どう考えるようになったか

たとえば:

中学2年生のとき、クラスで意見が分かれた話し合いがありました。私は自分の意見を通すことばかり考えてしまい、友達の話をちゃんと聞いていませんでした。結果、話し合いはまとまらず、友達と気まずくなってしまいました。その経験から、相手の考えをきちんと理解しようとする姿勢の大切さに気づきました。

このように、経験→気づき→今後の行動につなげる流れを意識しましょう。


(3)結論:まとめと高校生活への意欲

最後の結論では、再び自分の考えを確認しつつ、高校生活でどのようにその対話方法を実践したいかを述べましょう。

たとえば:

この経験を通じて、私は「まず相手の話をしっかり聞くこと」が対話において何よりも大切だと実感しました。高校生活では、クラスメイトや部活動の仲間との関わりの中で、お互いを理解し合える対話を心がけていきたいです。

ここで大切なのは、「書きっぱなしにしない」こと。
最後にしっかり未来への意欲を伝えることで、作文全体にまとまりが生まれ、読み手にも好印象を与えます。

解答例で学ぶ!高得点が狙える作文構成

 私は、対話において最も大切なことは「相手の話を最後まできちんと聞くこと」だと考えます。自分の意見を主張することも重要ですが、それ以上に相手の言葉や気持ちを受け止め、理解しようとする姿勢がなければ、建設的で意味のある対話にはなりません。私がそのことを強く実感したのは、中学二年の学級討論会での経験です。私は班のリーダーとして積極的に発言していたものの、班員の一人が話そうとしているのに気づかず、自分の意見ばかりを通そうとしてしまいました。討論が終わった後、その班員から「話そうとしていたのに、全然聞いてくれなかった」と言われました。私はそこで初めて、相手の思いに無関心だった自分の態度に気づき、大きな反省をしました。この経験を通じて、私は「聞くこと」はただ黙って相手の話を受け入れることではなく、相手の立場や感情を尊重し、対話を通じてより良い関係を築こうとする意思そのものであると感じました。
 高校生活では、友人や先生、部活動の仲間と接する中で、相手の話にじっくり耳を傾け、まずは受け止めることを大切にしていきたいと思います。そして、自分の意見が違っていても感情的にならず、お互いの違いを理解し合える対話を目指したいです。相手の話をしっかり聞くことを大切にすることで、信頼関係が生まれ、より豊かな人間関係を築くことができると私は信じています。(572文字)

よくあるミスとその対策

作文では、内容だけでなく、読みやすさや説得力も重要です。
せっかく良い経験や考えを持っていても、「書き方」によって評価が下がってしまうことがあります。
ここでは、受験生がよくやってしまうミスと、それを防ぐための具体的な対策を紹介します。


(1)【ミス】内容がテーマからずれてしまう

例:

「友達と楽しく話した思い出」などを書いても、それが“対話に大切なこと”や“高校生活で実践したい方法”に結びついていないと、テーマから外れてしまいます。

対策:

書く前に、「この話は自分の意見や主張を説明するために必要か?」と自問すること。
テーマのキーワード(今回は「対話」「大切なもの」「実践したい」)を常に意識しましょう。


(2)【ミス】経験が抽象的で具体性に欠ける

例:

「人と話し合って大切だと感じた」というだけでは、読み手に伝わりません。

対策:

「誰と」「どこで」「何があって」「どう感じたか」を明確にすること。
エピソードの具体性が高いほど、説得力が増します。


(3)【ミス】意見が一貫していない・話が飛ぶ

例:

「聞くことが大事」と言っていたのに、結論では「話すことが大切」となっている。

対策:

作文を書いたあとに、最初と最後の主張が一致しているか、本論の流れが矛盾していないかを確認しましょう。
時間があれば一度読み返す習慣をつけるとよいです。


(4)【ミス】文字数が足りない or オーバー

対策:

最初から構成(序論・本論・結論)をざっくりメモしておき、それぞれに「だいたい何文字ぐらい書くか」を意識しましょう。
時間内に仕上げるためには、書きすぎず・書き足りずのバランス感覚が大切です。


(5)【ミス】漢字・言葉のミスが多い

対策:

普段から作文練習をする際に、「自分の書きぐせ」や「よく間違える言葉」をチェックしておきましょう。
書き終えたら必ず見直しをして、読点(、)の位置や接続詞なども確認すること。

おわりに

都立深川高校の推薦入試作文では、「対話」に関するテーマを通して、自分の考えを明確に持ち、それを根拠とともに表現する力が問われました。
この力は、推薦入試だけでなく、これからの高校生活、さらには社会でのコミュニケーションにも直結する重要な力です。

今回の解説では、課題文が入手できなかったため、一般的な「対話に大切なもの」という観点からの解説を行いましたが、実際の入試では、課題文の内容を正確に読み取り、自分の考えとうまく結びつける力も求められます。

作文の力は、一朝一夕で身につくものではありませんが、ポイントを押さえた練習を積み重ねることで、確実に伸ばすことができます
以下のような練習方法を取り入れることをおすすめします:

  • 過去問や類題を使って、構成を意識した作文練習を行う
  • 書いた作文を誰かに読んでもらい、フィードバックを受ける
  • 良い例文を読み、表現や構成を真似てみる

最後に大切なのは、「うまく書こう」としすぎることではなく、「自分の言葉で、正直に考えを書く」ことです。
推薦入試の作文では、あなたの個性や姿勢がしっかりと伝わるような文章が、もっとも評価されます。

この解説が、受験生のみなさんの作文対策の一助となれば幸いです。
自信を持って、自分の言葉で、あなたの考えを届けてください。応援しています!

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