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【2024年度最新版】都立高校入試数学共通問題の傾向と対策

都立高校入試共通問題対策

2023.04.30

都立高校入試共通問題数学の傾向と対策

この記事はこんな方にオススメ!

  • 都立高校入試の数学で高得点が取りたい。
  • 都立高校入試の社会が苦手。
  • 都立高校入試数学の勉強法やテクニックが知りたい。

都立高校入試数学の概要

ホワイトボードに数学の文字

都立高校入試の数学では、一部の都立高校(自校作成校)以外は同じ問題を使います。自校作成校の事項作成問題と区別して「共通問題」と呼びます。数学は苦手とする人が多い科目です。しかしながら、都立高校入試数学は対策が非常にしやすい科目です。なぜならば、都立高校入試数学には以下の特徴があるからです。

 

  • 設問ごとに出題内容がほぼ決まっている
  • 設問ごとに正答率もほぼ決まっている
  • 設問ごとの正答率の差が激しい
  • 以上の特徴から、目標点数ごとに「解くべき問題」「解いてはいけない問題」が決まってくる

 

という特徴です。ということで、設問ごとの出題内容や正答率を紹介した後で目標点数ごとに「どの設問を優先して解くべきか」を紹介します。お勧めの教材も紹介しますので、是非最後まで読んでいってください。

大問1

まずは都立高校入試の大問1を小問ごとにご紹介いたします。

問1の内容

問1は正負の数の計算をする問題です。注意点は「計算の順番」です。

計算の順番は以下のように覚えておきましょう。

 

  1. ( )のなかを計算する
  2. 累乗を計算する  例:-62=-36
  3. 掛け算と割り算を計算する
  4. 足し算と引き算を計算する

 

都立高校入試数学の大問1問1では、この4つを覚えておけばOKです。

正答率の高い問題ですので、必ず正解できるようにしておきましょう。

問2の内容

問2は文字式の計算をする問題です。問2で気を付けてほしいポイントは1つです。それは、「カッコの前につくマイナスの外し方」です。

 

例:―(4a―b)=―4a+b

 

このポイントが25年連続で出題されています。これにさえ気を付ければ、大問1問2で点を落とすことはほぼないと言えます。正答率の高い問題になるので、必ず正解できるようにしておきましょう。

問3の内容

問3は平方根の計算です。主なポイントは以下の2つです。

①展開  

( )2( )( )を計算する問題が頻繁に出題されます。過去10年のうち7年がこのパターンです。

 

②平方根の簡約

平方根の簡約とは、例えば√8=2√2といった計算をすることを指します。過去10年のうち3年がこのパターンでした。展開をしない年は平方根の簡約を求められます。

また、過去20年で2回のみと大変にレアですが有理化が必要な問題もありますので注意しておいてください。この問題も正答率が高い問題となりますので必ず正解できるようにしましょう。

問4の内容

問4は一次方程式の計算をする問題です。特にこれといったポイントはありません。一次方程式の計算練習をしておきましょう。問2や問3より問4の方が正答率の高い年が多いです。絶対に落とせない問題だと思っておきましょう。

問5の内容

問5は連立方程式の計算問題です。こちらも、特にこれといったポイントはありません。連立方程式の計算練習をしておいてください。問4と同じように、問2・問3より正答率が高くなっています。絶対に落とさないようにしておきましょう。

問6の内容

問6は二次方程式の計算問題です。こちらについては、「因数分解のできない問題(=解の公式を使わないと解けない問題)がほとんど」という特徴があります。

2014年~2023年の過去10年のうち8年がこれでした。他の2年(2016年と2018年)は因数分解をして解く問題でした。因数分解をして解く問題でも解の公式を使えば解けますので、解の公式を使えるようになっておけばOKとも言えます。

問4や問5と比べて正答率が下がる傾向にありますが、解の公式さえ使えれば正解できる問題となっていますので確実に正解できるようにしましょう。

問7の内容

問7は以下の3つに分類できます。

 

  1. 確率の問題
  2. 資料の活用の問題
  3. 関数の問題

 

それぞれ特徴があり、

 

①確率

  • 問7で関数の問題が出題される場合、問8で確率が出題される
  • サイコロ、カード、袋(から玉を取り出す)の3パターンのいずれかが出題される

という特徴があります。

サイコロの場合は

 
           
           
           
           
           
           

の表を書いて解くようにしてください。

また、カードや袋の問題は樹形図を書いて解くようにしてください。

 

②資料の活用

2023年現在、

 

  • 相対度数を求める問題
  • 中央値を求める問題

 

の2パターンしか出題されておりません。したがって、この2つをケアしておけば大丈夫です。中1のときに習い、ずっと触れることのない単元ですので見落としている人が多い単元ですがこの2つ(相対度数・中央値)は復習して必ずできるようにしておきましょう。

 

③関数

関数もパターンが限られていて、

 

  • 一次関数の変化の割合
  • 二次関数のxの変域が与えられた場合のyの変域

 

のどちらかになっています。したがって、これらを確実におさえておきましょう。これらは大問3の対策にもなります。

以上のように、問7は様々なバリエーションがありますので正答率は年によって様々です。しかしながら、どの年も正答率が高くなっています。(近年では2019年が例外です。)

上記すべてのパターンに対応できるようにしておいてください。

問8の内容

問8では、図形の角度を求める問題か確率の問題が出題されます。確率の問題については問7の説明で触れましたのでここでは図形の角度を求める問題について触れます。

図形の角度を求める問題は与えられた図の中に隠されたヒントを自力で探さなければならないので苦手とする人も多いです。以下のようなパターンが多いことを知っておき、ヒントを探す際の参考にしてください。

 

  • 円周角の定理
  • 半円の弧に対する円周角は90度
  • 三角形の内角と外角の関係
  • 1つの円の半径の長さは等しい(⇒二等辺三角形をつくります)
  • 平行線の錯角は等しい

 

これらが問8を正解するためのポイントになることが多いです。問8の答えが分からない場合は上から順に探してみてください。また、円周角や錯角を登場させるために自分で補助線を引かなければならない問題が出題される年があります。補助線が必要な年は正答率が下がりますが、それだけライバルと差をつけるチャンスがあると言えます。

問9の内容

問9は作図の問題です。都立高校入試数学には珍しく、年によって正答率がかなり上下します。年によって注目点は異なりますが、以下のようなポイントに注目する年が多いです。

  1. 垂直二等分線か角の二等分線を引くと何とかなることが多い
  2. 円とは、ある点から一定の距離をとる点の集合である
  3. 面積が等しい三角形は、高さが同じであれば底辺の長さも等しい

大問2

次は都立高校入試数学の大問2についてご紹介いたします。

出題内容

大問2では、「文字式の利用」が出題されます。様々な数や図形や規則性を文字で表現することが求められます。例えば、「11の倍数=11k」「底辺がa㎝、高さがh㎝の三角形の面積は」といったかたちです。

都立高校入試数学大問2の対策2選

①図形の性質を覚えておく

文字を使って図形の辺の長さ、面積、体積を表現することが多いのでその性質を知っておく必要があります。例えば、2021年度入試では「正方形はひし形でもあるから、『対角線の長さ×対角線の長さ』を計算すれば面積がわかる」という知識が必要でした。他にも、「おうぎ形の周の長さや面積」や「円柱の表面積」といった円が関わるものが狙われやすいので注意してください。

 

②規則性の問題では、規則が分かるまで自分で書いてみる

例えば、「~のようなルールで正方形をn個重ねたときに…」という問題があったとします。このとき、「正方形を2つ重ねたらどうなるか」「3つ重ねたらどうなるか」を書いてn個重ねたときにどうなるかの法則性を探るヒントを探しましょう。

大問2は、問1の正答率が年によっても異なりますが比較的問1の正答率が高く問2の正答率が低い年が多いです。問2は、80点以上を目指す人のみ挑みましょう。

大問3

大問3は関数の問題が出題されます。一次関数のみが出題される年と、一次関数・二次関数の両方が出題される年があります。

問1の内容

問1は、

  • 直線や放物線に値を代入して点の座標を求める問題
  • 二次関数のxの値が与えられた状態でyの値の範囲を求める問題

のどちらかのパターンであることがほとんどです。ごくまれに、問2で出題される「2点を通る直線の式を求める」が問1で出題されることがあります。

問2の内容

問2では、2点を通る直線の式を求める問題が出題されることがほとんどです。ただし、2点のうち1点の座標を求める際に「2つの点の中点を求める」などのひと手間が加わる年もあります。

問3の内容

問3はある点の座標を求める問題ですが、そのプロセスが非常に複雑になっています。例年、正答率が10~20%くらいになるので目標点数が80点以上でない限り手を出さない方が良いです。正解するために必要なテクニックがいくつかあるので、次の項で紹介します。

都立高校入試数学大問3のテクニック4選

問3のカギとなるテクニックを紹介します。

 

  1. 求める点のx座標をtとおく習慣をつける
  2. 関数の式、点の座標など分かっていることを与えられた図にすべて書き込む
  3. 2つの平行な直線を活用した等積変形を利用する
  4. x軸やy軸に平行な直線に注目して三角形の底辺や高さを求める

 

これら4つを必要に応じて活用することで、大問3問3の正答率がグッと高まります。是非意識してみてください。

大問4

大問4は平面図形の問題です。登場する図形や正三角形、平行四辺形、正方形、円など年によって様々です。意図的にばらけさせていると思われます。しかし、各設問の傾向はある程度決まっていますので対策は立てやすいです。

問1の内容

問1では図形の角度を求める問題が出題されます。大問1の問8でも同様の問題が出題されると話しましたが、1つ違う点があります。

それは、「どこかの角度をaとおき、aを使ってある角の角度を求める」ということです。ただし、問題を解くうえでやるべきことにほぼ差はありません。したがって、大問1問8と同様に

 

  • 三角形の内角と外角の関係
  • 円周角の定理
  • 円周角と中心角の関係

 

といったことに注目すればOKです。

問2①の内容

ここでは、合同や相似の証明が出題されます。

合同条件や相似条件をすべて暗記しておき、教科書や各種問題集に載っている型通りに証明する練習をしておきましょう。

問2②の内容

ここでは三角形の面積や辺の長さを求める問題が出題されます。非常に難しい問題となっていて、例年正答率が10%前後となっています。ほとんどの受験生は手を出すべきではないですし、挑むとしても他の問題を解き終わってからにすべきです。

都立高校入試数学大問4のテクニック3選

  1. 合同や相似の証明で困ったら平行線の同位角や錯角を探す
  2. 問2②では、問2①で証明した合同や相似を活用する
  3. 問2②では、問2①で証明した以外に1つ、相似である三角形のペアを探す

 

これらを活用して、大問4の正答率を上げましょう。

大問5

大問5は空間図形の問題です。

問1の内容

問1では、辺の長さや図形の角度を求める問題が出題されます。後述の通り三平方の定理を使えば何とかなる問題が多いため、正答率は低くありません。したがって、図形の問題に苦手意識があったとしても、問1は正解できるようにしておきたいです。

問2の内容

問2では、立体の体積を求める問題が多いです。非常に正答率が低い問題で、例年正答率は5%前後です。満点狙いでない限り手を出す必要がないと言えます。

都立高校入試数学大問5のテクニック6選

  1. 問1では三平方の定理を使うことが非常に多い
  2. 問1で三平方の定理を使う場合、三角定規型の三角形に注意する
  3. 問2で複雑な立体の体積を求める場合、その立体をいくつかの三角すいに分ける
  4. 問2で複雑な立体の体積を求める場合、全体(直方体など)から四角すいをいくつか取り除いて求められるケースがある
  5. 問2で立体の体積を求める際、底面は面積が求められる平面である必要があり、高さはそれと垂直でありかつ長さが分かる線分である必要があることを意識する
  6. 高さが等しい立体どうしの体積比は底面積の比に等しい

大問5の問2に挑む場合は、これらを意識しておくと良いでしょう。

都立高校入試数学の目標点数別の作戦

①50点台を目指す場合

  • 大問1の46点のうち1問落としたとして40点~41点
  • 大問3問1・問2で10点
  • 大問4問1で5点

これで50点台が確保できます。50点台を狙う場合は、これ以外の問題には手を出さず、これらの問題の練習を重ねたうえで本番当日もこれらの問題を解く&見直しに時間を費やすのが良いでしょう。

 

②65点以上を目指す場合

  • 大問1で46点
  • 大問2問1で5点
  • 大問3問1問2で10点
  • 大問4問1で5点
  • 大問5問1で5点

これらのうち、どれか1題をミスして落としても65点を超える計算になります。

 

③75点以上を目指す場合

  • 大問1で46点
  • 大問2問1で5点
  • 大問2問2で7点
  • 大問3問1問2で10点
  • 大問4問1で5点
  • 大問4問2①で7点
  • 大問5問1で5点

これで1~2問ミスが出ても75点を超えることができます。

 

④85点以上を目指す場合

全ての問題に挑むようにしてください。

都立高校入試数学対策の教材4選

1『東京都予想問題数学大問123』

東京都予想問題数学大問123

大問1や大問2の問1、大問3の問1・問2を練習することができる問題集です。この問題集には1つ大きな欠点があります。それは「一般書店で市販されていない」という点です。学習塾向けの教材となっているため、この教材が欲しい場合は通っている塾にお願いする必要があります。

2都立高校入試過去問集

東京都立高校過去問

都立高校入試数学は毎年パターンが決まっているので、それを練習することが何よりも大切です。最新の過去問集で直近7年分を演習することはもちろんのこと、7~8年前の過去問集を買ってもう7年分演習することも非常に有効です。必ず実践してください。

3Vもぎ過去問集

V模擬過去問集

Vもぎの過去問集も、都立高校入試と同じパターンの数学の問題を演習するのに非常に便利です。1冊の過去問集に5回分が収録されており、それが過去3年分購入できる仕様になっています。

4『数学の最強ワザ120』

数学の最強ワザ120

85点以上を目指す方

つまり大問3・大問4・大問5の最後の問題に挑戦する方にお勧めの教材です。都立高校入試数学のうち、「難問」とされる問題を解く力が身に付きます。難しめの問題集でありながら、高校範囲の一部を知っていることを前提とする問題を扱っていないため非常に便利です。

逆に、難関私大の付属高など偏差値の高い私立高校入試を受験する場合はこれではなく『塾技100』を使った方が良いです。

 

以上が都立高校入試数学の対策です。

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