Column
都立小松川高校推薦入試小論文(男子)解説・令和4年度(2022年度)
都立高校別対策
2025.05.15

この記事は、令和4年度 東京都立小松川高校の推薦入試で出題された作文の問題を丁寧に解説したものです。
他年度の東京都立小松川高校の推薦入試の作文の解説は以下から見てください。
小松川高校の推薦入試(令和4年度・男子)では、「人と競い合うことを通して、自分がどう変化したか」をテーマにした作文が出題されました。
競争というと、「勝ちたい」「負けたくない」といった気持ちが強くなりがちですが、それだけではありません。
誰かと競う中で、自分の弱さに気づいたり、新しい目標ができたりすることも多く、競い合いは大きな成長のきっかけになります。
今回の作文では、
- 「競い合うこと」の良い点と悪い点をそれぞれ挙げること
- そして、その競争を通して自分がどう変化したかを具体的に書くこと
この2つが明確に求められています。
単に「勝った・負けた」だけではなく、その中で感じたこと・気づいたことを自分の言葉で整理して表現する力が問われる作文です。
この記事では、このテーマをどう理解し、どんな構成で書けばよいか、実際の作文例もまじえて詳しく解説していきます。
「競争=プレッシャー」ではなく、「競争=成長のチャンス」として前向きにとらえ、自分の変化をしっかり伝えられるようにしていきましょう!
目次
問題の構成とねらい
この作文は、単に「競争についてどう思うか」を問うものではありません。
課題文をよく読むと、明確に3つのことを書くように指示されています。
【課題文】
これまでに経験した「人と競い合う」ことを通して、あなたが変化した内容を書きなさい。
ただし、「人と競い合う」ことの良い点と悪い点をそれぞれ一つ以上挙げて書きなさい。
(550字~600字)
書くべき要素はこの3つ!
① 「競い合うこと」の良い点
→ 例:やる気が出る、自分の力を高められる、目標ができる
② 「競い合うこと」の悪い点
→ 例:相手を意識しすぎて疲れる、人間関係が悪くなることがある、ストレスになる
③ 自分の競争経験と、そこからの「変化」
→ 実際に経験した「競争」の場面(勉強、部活、ゲームなど)を具体的に書き、その中で自分がどのように考え方や行動を変えたかを伝える
高校側が見たいのはこの3点!
- 一つの出来事から多面的に物事を見られるか(思考力)
- 体験から自分なりに学び、成長につなげられるか(自己分析力)
- 考えを論理的に、600字で表現できるか(表現力)
「競争」は日常の中に多くあるテーマなので、自分の言葉で正直にふり返ることができれば、説得力のある作文になります。
作文で求められる3つの力
小松川高校のこの作文では、「競争」をテーマに自分の成長をふり返る力が求められています。
その中でも、特に大切なのは次の3つの力です。
① 複眼的に考える力(良い点・悪い点の両面を見る)
この作文では、「人と競い合うこと」の良い点と悪い点の両方を書くように明記されています。
一方の側面だけを見るのではなく、「良さもあれば、課題もある」と多角的に物事を考える姿勢が評価されます。
② 体験をふり返る力(具体的に書く)
ただの意見作文ではなく、「自分が経験したことをもとに書く」ことが求められています。
実際に、
- 勉強やテストでのライバルとの競争
- 部活動でのレギュラー争い
- 友人とのゲームやスポーツの勝負 など
実際のエピソードを思い出し、その中で自分がどう変わったかをふり返る力が必要です。
③ 成長を言葉にする力(変化を説明する)
作文の最大のポイントは、「競争によって自分がどう変化したか」を明確に伝えることです。
変化には、次のような例があります:
- 最初は負けたくない一心だったが、努力の大切さに気づいた
- 相手を見下していたけれど、互いに高め合う存在だとわかった
- 悔しい経験をきっかけに、目標を持って取り組むようになった
こうした変化を理由とともに説明できる力が、高評価につながります。
構成のポイントと書き方の流れ
この作文では、「人と競い合うことの良い点・悪い点」と「自分の変化」の両方を盛り込む必要があります。
600字以内でバランスよく書くには、段落ごとの役割を明確にすることが大切です。
おすすめの4段構成
① 導入:競い合うことについての考え(良い点・悪い点)…100〜120字
まずは、一般的に「競い合うこと」にはどんな良い点と悪い点があるのか、自分の意見としてまとめます。
例
「人と競い合うことは、自分を高めるきっかけになる良さがある一方で、まわりと比べすぎて疲れる面もあると思います。」
② 本文①:具体的な経験の紹介(競い合った場面)…150〜180字
次に、自分が実際に「誰かと競い合った」経験を紹介します。
勉強・部活・ゲームなど、テーマは自由です。
例
「私は中学2年の時、数学のテストでいつも一番のAくんに勝ちたくて、毎回得点を意識していました。」
③ 本文②:その経験を通じた自分の変化…200〜220字
その競争を通して、自分がどのように変わったのかを書きます。
「行動」「考え方」「価値観」など、変化の種類はさまざまです。
例
「最初は勝ち負けにこだわっていたが、学ぶこと自体の面白さに気づき、自分のペースで努力できるようになった。」
④ まとめ:今後にどう生かしたいか…80〜100字
最後に、その経験を今後にどうつなげていきたいかを述べて、作文をしっかり締めくくりましょう。
例
「今後も、人との競争を自分の成長のチャンスと考え、自分を高め続けたいと思います。」
構成まとめ表
パート | 内容 | 目安字数 |
---|---|---|
導入 | 良い点・悪い点のまとめ | 100〜120字 |
本文① | 経験した競争の場面 | 150〜180字 |
本文② | 競争を通した自分の変化 | 200〜220字 |
まとめ | 今後の意欲・目標 | 80〜100字 |
この構成に沿って書けば、「競争の意味」と「自分の変化」がわかりやすく伝わる作文になります。
実際の作文例
人と競い合うことには、良い点と悪い点の両方があると思います。良い点は、相手の存在が自分のやる気を引き出し、努力のモチベーションになることです。競争があるからこそ、自分の限界を超える力を発揮できることもあります。一方で、悪い点は、相手ばかりを意識してしまい、自分の目標を見失ってしまうことがある点です。
私は中学2年生のとき、同じクラスの友人とテストで何度も競い合った経験があります。彼はいつも成績が良く、私は何とか追いつきたいという思いから、次のテストに向けて毎日長時間勉強しました。点数で勝ったときはうれしかったのですが、抜かされるととても悔しく、次こそは勝ちたいという気持ちが強くなっていきました。しかし、あるとき気づいたのは、「相手に勝つこと」ばかりを考えていたせいで、勉強すること自体の楽しさを忘れていたということです。それからは、競争心を持ちながらも、自分の理解度や目標に目を向けて学習するようになりました。その結果、テストの点だけでなく、学ぶことへの興味も深まり、自信を持って取り組めるようになりました。
この経験から、競い合うことは自分を成長させる力になる一方で、目的を見失わないようにするバランスが大切だと感じました。これからも、人との競争を前向きに受け止め、自分の目標を大切にしながら努力を続けていきたいです。(567文字)
まとめ|競争を通してどう変わったかを言葉にしよう
小松川高校の推薦入試作文では、「人と競い合う経験を通して自分がどう変化したか」をテーマに、体験にもとづいた自己分析と成長のふり返りが求められました。
この作文で評価されるポイントは、以下の3つです。
- 「競争」の良い面・悪い面を両方見つめられるか
- 自分の体験を具体的に語れるか
- その経験からどんな変化や学びがあったのかを整理できるか
特別な成功体験や大きな結果がなくても構いません。
大切なのは、競争の中で感じた気持ちや、小さな気づきを自分の言葉で丁寧にふり返ることです。
作文を書くことは、自分の成長をあらためて見つめる機会でもあります。
これまでの努力や変化を素直に見つめ、「これからの自分はどうなりたいか」までしっかり言葉にすることで、推薦入試にふさわしい、説得力のある作文になります。
競争から得た「学び」を、自信を持って表現していきましょう!
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